第3章 白き浮遊島(うきしま)
第23話 ルイズに王命?
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う。口では適当な事を言っているキュルケなのですが、それは、ルイズの事を心配していると言う事を気取られない為の照れ隠しのような物と、今までで、自らが作り上げて来た表面上に現れているキュルケ・ツェルプストーと言う個性の維持の為に、そう言う物言いをして仕舞っているだけのような雰囲気を、俺には今のキュルケから感じる事が出来たのです。
具体的に心配しているような雰囲気がしているから、そう思っただけなのですが。
それに、これは心配していると言う点を好意的に捉えているだけで、その心配している相手が、ルイズなのか、それとも才人の方なのかは、実は判っていないと言うのが本当のトコロなのですが。
タバサはひとつ首肯く。……って、これでは、俺の【念話】に肯定を示したのか、キュルケの提案に肯定を示したのか判断が付かないのですが。
「やっぱり、持つべきものは親友よね」
キュルケがそう言いながら、タバサに抱き着く。満面の笑顔のキュルケと、その胸に抱かれながらも、まったく表情を変えていないタバサと言う、妙にシュールな光景が目の前で繰り広げられていた。
もっとも、これはこれで良いですか。俺の【念話】を肯定すれば、キュルケの提案を受け入れると言う結果しか生まないと思いますから。
それに、危険だから俺とタバサのふたりだけで、その一行を影から見守るから、キュルケは学院の方で大人しくお留守番していて下さい、と言っても、通じるような相手ではないと思いますから。
聞くところに因ると、キュルケの魔法の能力はかなり高いらしい。そして、自ら持ち込んで来た厄介事をタバサに押し付けて、自分は安全なトコロから結果の報告を受けるだけ、……と言うのは、彼女のショウには合わないと思いますからね。
ルイズも。そして、タバサも無事に帰って来れば良い。ですが、どちらか片方でも帰って来なかったら、彼女は自らが同行しなかった事を一生後悔し続ける事に成る可能性も有ります。
おそらく、その事はキュルケ本人も判っていると思いますから、今回のこの話には、彼女は間違いなしに付いて来る心算なのでしょう。
何故ならば、彼女はタバサの抱えている厄介事について薄々感づいていて、その力になってくれと、俺に頼んで来たのですから。
俺の能力を試すようなマネをした後に。
そのレベルの洞察力を持っている人間が、お忍びで訪れた王に因る王命の危険度を類推する事は可能でしょう。
それに、その王命自体が、友誼による依頼と言う形を取っている事についての異常さについても。
「じゃあ、馬を用意して置くから、明日の朝から、ルイズたち一行を追いかけましょう」
キュルケが当たり前の事のようにそう言う。
……って言うか、馬になんて俺は乗れませんよ。
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