第四十四話 第三の敵
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な髪形になっている。
白衣を着ておりその足はガニ股で猫背だ。痩せ細っており小柄な身体がより小柄に見える。そして何といってもその顔に特徴があった。
眼鏡をかけたその顔もまた痩せていた。そしてその目は視点が定まらず狂気が明らかであった。彼こそがゼツ=ラアス=ブラギオである。
かってはラングランの王立アカデミーに在籍しており、天才とも謳われていた。だがその心は頭脳程優秀ではなかった。卑劣で残忍な人物と知られ度々問題を起こしていた。そして人体実験を行ない追放されたのである。ラ=ギアスの錬金術士の間では札付きの男として知られている。
だがバゴニアに潜り込み今まで生きてきた。バゴニア政府の上層部を洗脳し今ではこの国の実権を握っている。この度の戦争も彼が黒幕であることはもう言うまでもない。
「憎きラングランの者共よ、楽しみにしているがいい」
彼はその手にある実験器具を操りながら笑っていた。
「貴様等全員地獄に送ってやる故な」
その手にあるフラスコの中の液体は赤く輝いていた。明らかにまともなものではない。そしてそれを持っている者自身も。
「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
彼は笑っていた。
「ヒハハハハハハハハハハハハハ」
不気味な笑いが暗い実験室に響いていた。それはまるで地の底の悪魔のそれのようであった。
第四十四話 完
2005・9・14
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