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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第四十話  オルファンの真実
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た。それまでしなびていた花が急に元気を取り戻していたのだ。
「これがオーガニック=エナジーの力なのか!?」
「勇」
 グランチャーの中から声がした。
「姉さん」
「覚えているかい?私に花をくれたことを」
 それを聞いて幼い日のことが脳裏に浮かぶ。かって自分が摘んだ一輪の花を姉にプレゼントしたあの日のことを。
「いつも二人だけで・・・・・・お婆ちゃんが働きに出ていた時」
「ああ」
 勇は姉の話に頷いた。
「あの時は嬉しかったよ」
「有り難う」
「私の誕生日にね」
「誕生日・・・・・・」
 だがそれを聞いた勇の顔が強張った。
「そうだったのか!?」
「!?どういうことなんだ」
 それを聞いたクィンシィの顔も強張った。
「覚えていないのか、私の誕生日だったことを」
「・・・・・・御免、覚えてない」
 彼は素直にそう答えた。
「昔のことだから」
「そうかい・・・・・・そうだろうね」
 一瞬悲しい顔になった。だがすぐにそれは険のあるものに一変した。
「だからあんたはオルファンを出たんだ!」
 そしてこう叫んだ。
「両親を裏切り、家族の絆を捨てて!」
「違う!」
 勇はそれを否定した。
「姉さんもわかる筈だ!」
「何をだ!」
「オルファンを離れれば俺の言っていることが!」
「戯れ言だ!」
 だが彼女は弟のその言葉を完全に否定した。
「御前はオルファンを傷つける!それだけだ!」
「違う!」
「もう御前とこれ以上話すつもりはない」
 そう言うとグランチャーを立たせた。カントは慌ててそこから退く。
「今度会った時こそ始末してやる!」
「姉さん!」
 クィンシィはその場から去った。瞬く間にその姿を消してしまっていた。
 それに従い他のグランチャー達も姿を消す。こうして彼等は東京湾から姿を消した。
「姉さん」
 勇は姉が去った方を見て呟いた。
「完全に抗体になってしまっている。どうして」
「勇・・・・・・」
 ヒメがそこに来た。そして彼を慰めようとするがそれはできなかった。
「何が不満なんだ、この世界に!」
「それは彼女もわかっていないんじゃないかな」
 万丈が勇に対してそう言った。
「姉さんも」
「そうさ、人間ってのは複雑なものでね」
 彼は語った。
「自分で自分がわかっているつもりでもそうじゃない時があるものさ」
「そうなの」
「ああ」
 ヒメの問いにも頷いた。
「君の姉さんもそうじゃないかな。自分ではわかっているつもりでもね」
「・・・・・・・・・」
「何時かわかるかも知れないさ。今はそれよりも目先のことを考えた方が君の為だ」
「わかりました」
「わかってくれればいいさ。丁度次の敵のおでましみたいだしね」
「次の」
「レーダーに反応です」
 そこで
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