第四十話 オルファンの真実
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れようとした。しかしここで突如として警報が鳴った。
「!?」
「敵襲か!?」
「ガイゾック、いやミケーネか」
「こんな時に!」
ロンド=ベルの面々は口々にそう言いながら席を立つ。そして部屋に軍人達が入って来た。
「長官、敵です!」
「何処にだ!?」
「東京湾上空です。オルファンです!」
「何だと!やはり罠だったか!」
そう言って今度は研作に銃を向けようとする。だが大文字はそれも制した。
「お待ち下さい!」
「またか!今度は利敵行為とみなすぞ!」
「落ち着いて考えて下さい。何故彼がここにいるのにオルファンが来るのですか」
「この男は囮だ!」
「囮ならばわざわざ伊佐木ファミリーを送り込んだりはしません。おそらくこれはオルファン内で何かあるのでしょう。伊佐木博士、違いますかな」
「・・・・・・申し訳ないが私にはよくわかりません」
彼はそう答えた。
「リクレイマーに出撃命令は出しておりません」
「嘘をつくな!」
「長官、貴方は黙っていて下さい!」
大文字は三輪を一喝した。
「今は彼の話を聞かねばなりません」
「おのれ、大文字め。覚えておれよ」
「何か古典的な台詞だニャ」
「そういうことしか言えないんだろうね」
クロとシロがそれを聞いて三輪を馬鹿にしていた。
「リクレイマーに対する出撃命令は私の他には一人しかおりません」
「その一人は」
「姉さんだ」
勇が言った。
「姉さん!?」
「クィンシィ=イッサーだ。オルファンのリクレイマー達のリーダーだ」
「あの赤いリクレイマーの娘かしら」
「ええ、そうです」
リツコの問いに答えた。
「親父の他にリクレイマーに対して出撃命令を出せるのは姉さんしかいません。今度のは多分」
「それでそのリクレイマー達は何処にいるのかね」
「ハッ、東京湾からこちらに向かっております」
「わかった。ではすぐに迎撃に向かおう。それでいいな」
「はい」
勇とマサキがそれに頷いた。
「ロンド=ベル総員出撃、目標は敵リクレイマー部隊」
「了解!」
彼等はそれを受けて一斉に動いた。後には歯軋りするだけの三輪だけがそこに残された。彼は為す術もなく口惜しさに身体を震わせるだけであった。
ロンド=ベルはすぐに東京湾に展開した。それと正対するように既にリクレイマーの部隊がそこにあった。中央には赤いリクレイマーがいた。勇はそれを見て顔を歪ませた。
「姉さん、やはり」
「勇、わかってると思うがよ」
甲児が彼に声をかけてきた。
「わかってるさ、大丈夫だよ」
「ならいいがな」
まだ不安であったがここは勇を信じることにした。甲児も思いきりがあった。
「頼むぜ」
「ああ」
勇は頷いた。その前にいる姉を見据えながら。
クィンシィはそこに悠然と立っ
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