第四十話 オルファンの真実
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す」
「ふむ」
冬月と大文字はそれを聞いて眉を動かさせた。リツコは目を閉じて思索に入った。アノーアは彼から目を離さない。研作もである。勇も彼に注目していた。ただ三輪だけが感情的になっていた。
「結論から述べますとオルファンの繁殖と植物の繁殖には同調が見られます」
「同調が」
「ええ。つまり太平洋とオルファンの活性化により、地球の緑が復活しようとしているのです」
「地球の緑が」
「では地球を活性化させているというの!?」
「そういうことになります。僕はそれを知った時とても感動しました」
「ふん」
三輪はそれを聞いてもまだふてくされていた。
「馬鹿なことを言う」
「人類が汚してきた地球はまだ人類に絶望せずに地球の生態系を救う術を与えてくれたのですから」
「その通りだ」
研作はそれに頷いた。
「私の考えと全く同じだ」
「ですが僕は伊佐未博士の論にはまだ賛成できない部分があります」
「それはどこだね」
「オルファンのエネルギーは太陽のようなものですから人間にはコントロールできないのです」
「それでは何の意味もないではないか」
三輪はそれに反論した。
「聞くだけ無駄だ。下がれ」
「お待ち下さい」
だがそれを冬月が制した。
「まだ彼の話は終わってはいません」
「ふん」
「そこだ」
研作はここでクレームをつけてきた。
「当初は我々もオルファンはその浮上により全地球上のオーガニック=エナジーを使用するだろうと考えていた」
「はい」
「だが今はその考えを訂正しつつある。理由は君の考えと同じだ」
「博士はそれについてどう思われますか」
カントは研作に問うてきた。
「僕にはオルファンがまるで地球をいたわっているように思えるのですが」
「そうだな」
研作はそれに頷いた。
「今はそれに同調せざるを得ないな」
「それが貴方の主張するオルファンの安全性の根拠でしょうか」
リツコが口を開いた。
「そうですな」
そして研作はそれにも頷いた。
「ではまた御聞きしたいことがあります。尋問のようで申し訳ありませんが」
今度は大文字であった。
「何でしょうか」
「オルファンの飛翔は何によって行なわれるのです?オルファン内部だけでたくわえられたオーガニック=エナジーだけでそれをまかなえるのですか?」
「それだけではないと思われます」
「!?どういうことなんだ」
勇はそれを聞いて疑問を感じた。
「親父の奴、まさか」
「勇君、落ち着き給え」
だがそれをゲイブリッジが制止した。
「いいね」
「わかりました」
勇はそれに従った。そして落ち着きを取り戻し研作に顔を戻した。
「ではそのエネルギーとは」
大文字はまた問うた。
「一体何でしょうか」
「そこまではわかりません」
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