第三十九話 火星の影
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る。そしてテンカワ=アキト」
彼はそう言いながらアキトを見据えた。
「貴様の相手は私だ。覚悟はいいか」
「言われなくても御前だけはやってやる」
アキトはキッとした顔で言い返した。
「この前の借りがあるからな」
「へえ」
それをナデシコのキッチンで聞いていたホウメイは声を漏らした。
「彼も強くなったもんだねえ。ラーメンのことばかり考えていると思ったら」
「やってやる。このエステバリスで!」
「・・・・・・・・・」
ルリはそれを黙って聞いていた。表情は変わらないが何やら思うところがあるようである。
「アキトってさいっこう!」
ユリカはその横でアキトの雄姿を見てはしゃいでいた。
「そうでなかったら私の恋人にはなれないわ!」
「けれど勝てるかどうかは別です」
「どういう意味なの、ルリルリ」
それにハルカが尋ねた。
「アキト君なら負けないわよ」
「負けはしないでしょう。けれど」
「けれど!?」
「勝てもしないと思います。エステバリスでは」
「何かよくわからないんですけれど」
ハーリーがそれを聞いて首を捻る。
「今のアキトさんとエステバリスでは勝てないということでしょうか」
「はい」
ルリは彼にそう答えた。
「もっと強いマシンがあればわかりませんが」
「そう言いましても」
これには皆首を傾げた。
「エステバリスはあれ以上は強化できないし」
「どうしたものか」
「そうかなあ」
しかしユリカだけはそれには疑問であった。
「艦長、何か御考えでも」
「新しいエステバリス作っちゃえばいいじゃない。思い切って」
「ネルガルに?」
「そうね、プロスペクターさんに頼んで。どうかしら」
「う〜〜〜〜〜ん」
だがそれには殆どの者が賛成していないようであった。
「それはどうでしょうか」
「駄目かなあ」
「駄目というよりは。お金が」
「お金が解決したらいいのね」
「えっ!?」
これには皆再び驚かされた。
「じゃあ連邦軍にかけ合ってみるね、時間があったら」
「艦長、本気ですか!?」
「勿論よお。それだとロンド=ベルのパワーアップにもなるしアキトも活躍できるし。いいことばかりじゃない」
「そうでしょうか」
「悪くない考えだと思います」
驚いたことにルリがそれに賛成の意を表わした。
「ルリちゃん」
「アキトさんの素質と能力を考えますといずれエステバリスでは限界が生じると思われます。新しい、全く別のマシンを開発する必要があります。オモイカネもそう分析しています」
「じゃあそれで決まりね」
「ただ、開発にはかなりの時間がかかると思います。それでもいいですか」
「えっ、今すぐじゃないの!?モビルスーツみたいに」
「モビルスーツもすぐには開発できないぞ」
ブライトが
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