第三十八話 バイタル=ネット
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んだ。
「そうすれば悪いようにはしないわ」
「また嘘を言うのか!」
だが彼はその言葉を頭ごなしに否定した。
「悪いようにしないって言っていつも嘘をついてきたじゃないか!」
「そんなことはないわ!」
「いつも裏切ってきたのがママンだ!」
「私が何時!」
「八歳と九歳と十歳の時と!」
ジョナサンは叫んだ。
「十二歳と十三歳の時も!僕はずっと待っていたんだ!」
「な、何を!」
「クリスマスプレゼントだよ!」
「!!」
アノーアはそれを聞いて絶句した。
「カードもだ!ママンのクリスマス休暇だって待っていた!けれど僕に何もくれなかったじゃないか!」
「それは・・・・・・」
それ以上言えなかった。この時でようやくジョナサンが何を欲しがっていたのか気付いたのであろうか。
「あんたは何もくれなかった!それなのに最初の贈り物がピストルの弾なのか!それが母親なのか!」
「・・・・・・・・・!」
「ジョナサン、それ以上言うのは止めろ!」
「勇!」
「大人しくするんだ!」
「生憎そのつもりはない!」
「何だとっ!」
「行っちゃうも?」
クマゾーはそれを見てジョナサンの顔を見上げて呟いた。
「クマゾーといったな」
「うん」
「俺だって引き際位は心得ているつもりさ」
そう言って微笑んだ。それからまたクマゾーに対して言った。
「さっきは殴って済まなかったな。君は立派だったよ、尊敬に値する坊やだ」
「尊敬?」
「そうだ。オルファンに来ればグランチャーをやろう。来るか?」
「ううん」
だが彼は首を横に振った。
「それよりも僕はヒメ姉ちゃんや皆の側がいいも」
「そうか。それならいい。そこのお嬢ちゃんにも申し訳ないことをしたな」
「・・・・・・・・・」
「これでな。また会おう」
そう言って甲板を後にしようとする。勇がそれを見て駆けた。
「逃がすか!」
だがジョナサンの方が早かった。彼は甲板にあった自身のリクレイマーに乗った.そしてその場を後にしようとする。
「させるかいっ!」
十三が乗り込もうとする彼を拳銃で撃とうとする。しかしそれはできなかった。
「艦長!」
コモドが甲板に駆けてきた。
「敵襲です!」
「敵!?」
「はい、グランチャーの部隊です。如何致しますか!?」
「すぐに迎撃用意を!」
彼女は艦長の務めによりすぐに指示を下した。
「ブレンも出撃させる!」
「了解!」
それに従い勇達が動く。見ればグランガラン等三隻の戦艦が前に出て来ていた。彼等も既に敵の動きを察していたようであった。
「行くぞ!」
「うん!」
ブレンが出撃する。他のマシンも次々と出る。そしてグランチャーに備えていた。
「ジョナサン、迎えの部隊を呼んでいたのか」
「俺だって二手三
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