第12話 2つの世界
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に集まり、その視線に気が付いた彼の顔が更に赤くなる。
「……ジュンゴもよく分からないけど。前の世界では、そう」
純吾は視線を避けるようにリリーに抱きつくようにしてそう話す。突然の純吾からの抱擁に、鼻から 愛
はなじ
を吹き出しそうなくらいしまりのない顔になるリリー。
そうなると次に視線が向かうのは今回彼の事情の説明を担当した恭也だが
「い、いや…。俺もその事は初耳だから何とも言えないんだが……」
彼も引きつったような顔をして、何も知らないと言う。それならばと最後にリリーへ視線が向かうと
「ふっふ〜ん。今はかわいい路線一直線だけど、前はキョーヤよりもずっと背が高くて頼りがいのある男だったのよ!
いや〜、初めて会った時はなんて無愛想なんだって思ってたけど、あの悪魔から私を助けてくれた時っ!!
魔力もなくなってもうダメだっ! て思ってた私の前に颯爽と駆けつけてくれて、『ピクシーはジュンゴが守る』って言ってくれた時のかっこよさっていったらもう―――」
尋ねてもいない惚気話を純吾にやんやんと頬擦りしつつ、恥ずかしがりながらも怒涛の如く話し始める始末。
「はぁ〜。何とも信じられない話だけど、どうやら信じるしかないようだな」
「えぇ…。あの茶碗蒸しも小学生にしたらすごい出来だって思ってたけど、そういう事なら納得できるわね」
「19歳……。19歳のまま来てくれてたら私にも春が来てたのに……」
なんとも締りのないまま、純吾達の事情の説明はこうして終わった。
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