第3章 白き浮遊島(うきしま)
第22話 ギトーの災難
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如意宝珠の防御力を越える攻撃力をギトー先生の魔法が持っていない限りは、キュルケには傷一つ付く事は有りません。
しかし、これでは俺は、キュルケと言う騎士に付き従う騎士従者じゃないですか。確か、中世ヨーロッパの騎士に従う騎士従者の戦場での役割は、盾持ちだったような記憶が有るのですが。
突然、視界すべてを覆う形で展開された壁盾に驚いたキュルケでしたが、その盾に何かがぶつかる音とその雰囲気により状況を察知。彼女の右側に立ち、盾を構える俺に軽くウィンクをして来る。
「いや、別に御礼は必要ないで。この位置関係からすると、あの魔法は俺にも被害が有った可能性が有るからな」
流石に、タバサに命令されました、とは証言出来ないので、当たり障りのない答えを返して置く俺。
しかし……。
「君は何故、私の邪魔をするのかね」
何故か、納まりの付かないギトー先生が、たかが使い魔風情の俺に対して、初めて声を掛けて来た。
もっとも、自分の授業中に私語をしていた俺とキュルケに罰を与える為に、こんな姑息な方法を使って来たのは、ほぼ間違いないので、初めから俺の事を認識していたのは確かなのですが。
「はい。確か、誰の魔法が最強かと言う御話のようでしたから、私の防御魔法に付いても評価に加えて貰おうかと思いましたので」
先ほどの会話の内容をわざと勘違いしたかのような振りですり替えて、答える俺。ただ、ギトー先生の本心はそっちの方だったと思いますけどね。
しかし、本当に、メンド臭い先生ですね。俺みたいな部外者が何をしようが、無視したら済むだけでしょうに。
そう考えながら俺は、展開させていた如意宝珠の盾を元の姿……大体、直径5センチメートル程度の光の珠に戻した後、自らの右手の中に収納する。
尚、敢えて、こう見せる事により、何らかの魔法のアイテムを使用したと言うよりも、俺個人の魔法が作りだした防具のように見えるだろうと思いましたから、敢えて見せるようなマネを行ったのですが。
「確かに、ギトー先生の風の魔法は、不意を突いたとは言え、ミス・ツェルプストーの炎の魔法を打ち破りました。ですが、残念ながら、私の展開させた盾は貫通出来なかった以上、先生の魔法もまた、最強には程遠い魔法と言う事が証明されたと思います」
もっとも、仙人の作りし宝貝を無効化出来るのは、神、もしくは同じく仙人の作りし武器以外には考えられないので、これを貫通出来る魔法など、早々存在してはいないと思うのですが。
特に、俺が所持している如意宝珠に浮かびし文字は『護』。これは、誰かを守る時に最大の力を発揮する如意宝珠。これにより再現された盾は、かなりの防御能力を発揮する事は間違い有りません。
「ほほう。君は、風が最強の魔法ではない、
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