第3章 白き浮遊島(うきしま)
第22話 ギトーの災難
[9/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、タバサからの【念話】の続きを受け取る俺。
しかし、少々意味不明。タバサが気付いた危険が、キュルケに迫っていると言うのでしょうか。
【具体的に、どうやって護ったら良いんや?】
一応、そう【念話】で聞き返す俺。
先ず、ただ護ると言うだけならば、一番簡単な方法は、物理反射や、魔法反射のような仙術をキュルケに施して置く事が簡単です。
但し、この仙術に相当する魔法がこの世界には存在していないので、誰が施したか丸わかりと成って仕舞い、その危険のレベル及びキュルケに迫っている危険をもたらせる存在如何によっては、後々更に厄介な状況に陥りかねません。
……って言うか、最早、そのキュルケに迫りつつある危険と言うのが、俺にも簡単に理解出来るようになったのですが。
タバサとの【念話】や、その後の思考の時間の間に、何故か、キュルケが魔法をギトー先生に向かって放つ事となった模様で、現在、キュルケの杖の先に精霊が集まりつつ有ります。
他の生徒達が慌てて緊急避難を開始する。尚、当然のように、キュルケを女神の如く崇め奉っている連中も机の下に退避を完了しています。
身を挺して女神を護ろうとする勇者はいないんですか、ここには。
【タバサ、取り敢えず、キュルケを護ったら良いんやな?】
慌てて少し離れた位置に座っているタバサを見つめながら、【念話】でそう聞く俺。
俺の方を見つめ返しながら、コクリと首肯くタバサ。但し、彼女は、机の下に緊急避難を行う事などなかった。
しかし、キュルケだけでは無く、あのギトー先生も何か呪文を唱えていますよ?
キュルケの方はあからさまに呪文を唱えているのが判る状態なのですが、同じようにギトー先生の方からも、精霊の断末魔の悲鳴が聞こえて来る以上、あの先生も何かの魔法の呪文を唱えていると言う事は間違い有りません。
本当に、この学校の教育方針はスパルタ教育そのもの。ここで教育を受けた魔法使いたちは、非常に実戦的な魔法使いとして巣立って行くのでしょう。
そして、キュルケの目の前に蓄えられた紅き炎の塊。大体、直径1メートル。
……って、何と言う大きな塊を作るのでしょうか、このネエチャンは。相手を殺す心算ですか?
俺は、心の中で悪態を吐きながら、如意宝珠を起動。形は長方形で大型の壁盾を選択。
キュルケの手首が軽く返される事に因って、彼女の制御を離れた炎の塊が、一直線にギトー先生を襲う!
しかし、その瞬間、それまで隠されていたギトー先生の右腕が、腰に差していた魔法使いの杖を貫く手も見せる事無く引き抜き、まるで居合い抜きのような雰囲気で振り抜かれた。
刹那、キュルケの前に如意宝珠によるシールドを展開。これで、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ