第3章 白き浮遊島(うきしま)
第22話 ギトーの災難
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ルイズ。あの舞踏会の夜は、ちゃんと俺の二重存在騒動の後にふたりで仲良くワルツを踊っていましたし、その時にはキュルケの方もチョッカイを掛けていなかったから、その後も上手くいっていると思ったのですが……。
それとも、上手く行き過ぎて、アッチ系のプレイに目覚めて仕舞ったのでしょうか。
「武士の情けで、聞かないでくれると嬉しいです」
何か、かなり情けない雰囲気なのですが、一応、そう答えてくれる才人。成るほど。ならば、聞かずに置くのが武士の情けと言う事ですか。
「まぁ、武士は相身互いと言うからな。そうしたらルイズさん。才人の傷を見てやってもええ……」
流石にこの傷を放置するのもどうかと思って、そうルイズに聞こうとしたのですが……。
しかし……。
何故か、其処に夜叉が存在する事に気付いた俺が、次の言葉を呑み込む。
それに、この時のルイズの視線をマトモに受け止めたら、素直にキャインと言って、降参のポーズを取ったとしても誰も笑いはしないでしょう。
「まぁ、なんて姿に成っているの、ダーリン」
完全にキャインと言わされて仕舞った俺に代わり、何時の間にか教室に入って来ていたキュルケがそう言いながら、俺達の方に近付き、そして才人を抱きしめる。
……って言うか、コイツ、間違いなしにルイズを徴発している。
尚、突如、見事な双丘に包まれる事となった才人が鼻の下をのばして……。
一時の快楽に身を委ねて、自らの死刑執行書にサインをするか。もう、これ以上は面倒見切れないな。
オマエさんのそのニヤケタ顔を、オマエさんのピンク色の御主人様がどんな表情で見ていらっしゃるかを知ったら、そんな顔は出来ないと思うのですけどね。
「ちょっと、キュルケ。勝手に触らないでくれる。
わたしは、この馬鹿犬の飼い主として、ちゃんとした躾をする義務が有るの」
首輪に付けられた鎖を引っ張りながら、キュルケに対してそう言うルイズ。
その度に、首つり状態となった才人から、妙な悲鳴が漏れて来るのですが……。
もっとも、悲鳴が聞こえている内は、生きていると言う事ですから、大丈夫でしょう。
多分ね。
「可哀そうなマイダーリン。でも安心してね。私の微熱は、再生を司る微熱。貴方の傷など、私がすぐに癒してあげるわ」
しかし、ルイズが鎖を引っ張る度に、才人を強く抱きしめるキュルケ。
もう、彼女の行動にはツッコミは必要なしですね。こんなモン、大岡裁きの例を紹介する必要もないと思いますから。
まして、この二人の場合は、引っ張り合いをして、最終的に相手の首を取った方が勝者に成りかねない戦い……。いや、流石に其処まで酷くはないか。
しかし……。少し、感心したような視線で
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