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蒼き夢の果てに
第3章 白き浮遊島(うきしま)
第22話 ギトーの災難
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は終わっていたみたいです。

「あっと、すまなんだな。ちょっと、ぼぉっとしていたみたいや」

 タバサ自身が不機嫌な気を放っている訳では無かったのですが、それでも最初に謝罪を入れて置く俺。
 それに、少しマズイ事態発生です。実は、お茶の準備が未だでしたから。

 確か、紅茶の美味しい入れ方とか言うのに、茶葉をポットの中で蒸らせとか言うのが有りましたけど、実は俺には難しくて、更に味の違いもイマイチ理解出来なかったのです。
 もっとも、その辺りの違いは判らなくても、一応、本に書いて有る通りに淹れたお茶を、普段通りの雰囲気で何時も飲んでくれて居ますから、多分、問題ないのでしょう。そう考え、食事に合わせたお茶を出していたのですが……。

 今朝は、やって終いましたよ。

 しかし、タバサは首を横に振る。
 成るほど。気の利かない使い魔改め、セバスチャンをお許しに成ってくれると言う事ですか。
 お優しいお嬢様に成長なされて、爺は感動で言葉も御座いません。

 まぁ、などと言う冗談を一瞬考えた俺なのですが……。

「貴方はわたし専用の従僕ではない」

 そう、最近はあまり聞く事の無かった台詞を口にするタバサ。

 クダラナイ冗談を口にせずに良かった。タダでさえ、メガネのレンズ越しで、そう温かみの有る視線とは言い難い彼女の視線を、俺のクダラナイ、更に場の空気を読まないギャグを言った後に向けられると、最早立ち直る事さえ出来ないトコロまで落ちて仕舞いますから。

「いや、別に、食事に関しては俺が食べたい物を作っているだけやし、お茶に関しても同じや。何せ俺の胃袋は、お米を食べる事に特化しているから、どうも主食が肉では胃にもたれて仕方がないからな」

 俺の方としては、好きでやって居る事で、別にタバサが気にする程の事でも無いのですが。実際、このハルケギニアの料理では、俺の舌は満足しないのは事実ですから。
 矢張り、食事に関しては、不満足なソクラテスよりも……。おっと、これは表現が悪すぎますか。

「そうしたら、今からに成るから少し時間が掛かるかも知れないけど、お茶を淹れるから、飲んでくれるかいな」

 俺の問いに対して考える仕草の後に、タバサは少し、しかし、彼女にしては珍しく強い調子で首肯いてくれたのでした。


☆★☆★☆


 そうして、何故か少しだけ上機嫌で、教室に向かった俺と、普段通りの表情のタバサだったのですが……。

「……先ずその首輪に関してのツッコミは許されているのでしょうか、才人くん」

 何と表現するのが適当ですかね。そう。まるで、試合翌日のボクサーのような顔をした……と表現すべき状況ですか。まるでタイトルを奪われた翌朝の元チャンピオンのような才人の首に首輪を嵌めて引っ張っている
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