第八話
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
めて戻ってきたジヴァの声にエルシャンは我に返った。
「えっ、ああ、そうか、そうだね。じゃあエンディングだ」
「エンディングって何だよぅ……」
泣きそうなジヴァを無視して、エルシャンは手を叩いて皆の注目を自分に向ける。
「さて残念ながら告白に失敗したジヴァ君だが、今回の事は決して無駄ではない。彼は勇敢にして最良の決断を下した。それは彼自身を一歩成長させた事だろう。そして彼の事を想う2人も、その果断な姿にさぞ惚れ直した事だろう……もげろジヴァ!」
「もげろジヴァ!」
クラスの男子達も心を一つにして叫ぶ。ノリの良い連中だった。
「さて今後、僕に恋愛相談を持ち込む者は等しく、この様な目に遭うことに決まったわけだが、勇気ある男子はこぞって挑戦してくれ。決して観客を飽きさせない事を約束しよう。次の恋愛の処刑場の犠牲者は君かもしれない」
適当な男子を指差しポーズを決めたエルシャンだが、「処刑場!」「犠牲者かよ!」と皆の総突っ込みを聞きながらも、ドアの向こうに目を向け立ち去った黒髪の女性の姿を無意識に探していた。
エルシャンは、他人の恋愛感情は分かっても、まだ自分が彼女に一目で恋に落ちた事にすら気付いていなかった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ