第二十四話 ドラグーン
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手をするのは困難だ」
だがゼンガーはケーンの言葉を遮りそう述べた。
「他に相手をすべき敵がいる。今はこの男の相手をすべき時ではない」
「時じゃないってのか」
「そうだ」
ゼンガーは答えた。
「今は俺に任せるのだ。いいな」
「ケーン」
ライトがそれを受けてケーンに声をかけてきた。
「ここはゼンガーさんの言葉を受けようぜ。今の俺達じゃこのおっさんの相手は荷が重い」
「けれどよ」
「タイミングってやつだよ」
タップも言った。
「今はそのタイミングじゃないんだ。だからここは大人しく引き下がろうぜ」
「それがわからない御前じゃないだろう」
「・・・・・・わかったよ」
ケーンは渋々ながらそれを受け入れることにした。頷く。
「じゃあゼンガーさん、お願いします」
「うむ」
ゼンガーもそれを受け入れた。
「それではここは俺に任せるのだ。いいな」
「はい」
「じゃあ俺達はこれで」
こうしてドラグナーチームの三人は別の戦場に向かった。ゼンガーは彼等を背にグン=ジェムと対峙していた。
「ギガノスきっての剣豪グン=ジェムか。話には聞いている」
まずはゼンガーが口を開いた。
「あの三人を相手にしても一歩も引かぬとはな。噂通りの腕のようだ」
「お世辞はわしには通じぬぞ」
だがグン=ジェムはそれを笑って受け流した。
「金か食いものならともかくな」
「世辞ではない」
ゼンガーはそう言い返した。
「本当のことだ。俺は嘘は言わぬ」
「そうか。では御前は一つ間違えておるから言っておこう」
「何だ」
「わしがギガノスきっての剣豪ではない」
そしてこう言った。
「ギガノスの汚物よ。汚物は剣豪ではないな」
「・・・・・・汚物だからといってその中にる剣は隠せはしない」
ゼンガーの返答はそれであった。
「ゼンガー=ゾンバルト、今ここに言おう」
そう言いながら剣をゆっくりと引き抜く。
「死合う!」
「面白い」
構えをとったゼンガーを見てグン=ジェムも笑みを浮かべた。
「ならばわしも貴様と剣を交えよう。覚悟はいいな」
「覚悟ならば常にできている」
ゼンガーは言った。
「男として、剣を手にする者としてな」
「気に逝ったぞ、その言葉」
グン=ジェムも構えた。
「では思い切り死合うとしようぞ」
「参る!」
両者は互いに剣を振りかざした。そして同時に前に出た。
「グオオオオッ!」
「ムンッ!」
グン=ジェムの咆哮とゼンガーの気合が交差する。そしてぶつかり合う。両者の一騎打ちが幕を開けたのであった。
剣撃が乱れ飛び銀の火花が辺りを彩る。激しい動きは何時しか舞の様になっていた。
激しい戦いと時として舞の様に美しくなるという。二人の戦いがまさにそれであった。
「すげえ」
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