第二十二話 誇り高き戦士
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「それが事前の連絡もなしにか」
「どうやらそのようです」
「一体どういうことだ」
「まさか地球攻略が進まぬことにオルバン大元帥がご立腹なのでは」
バルバスは心配そうな顔でそう述べた。
「ならばメルビ補佐官は監視役として派遣されてきたのでしょうか」
ライザも心配そうな顔であった。リヒテルは二人の顔を見ながら言った。
「まずは落ち着け」
「はい」
二人を鎮めた。
「とりあえずは会おう。よいな」
「はい」
「わかりました、リヒテル様」
二人はそれに頷いた。リヒテルはそれを見届けた後でまた二人に対して言った。
「それではこちらに案内してくれ。よいな」
「ハッ」
「しかしだ」
リヒテルは二人の姿を見送りながら考えていた。
「何故今あの男がここに」
それが彼が考え込む理由であった。
「メルビ・・・・・・。酒に酔うだけの無能者が。どうして今ここに」
考えても結論は出なかった。すぐに二人が戻ってきた。
「メルビ補佐官をお連れしました」
「うむ」
彼は考えることを止めた。そしてメルビを部屋に入れるように言った。
こうして程無くしてメルビが司令室に呼ばれた。見ればだらしない歩き方をする男であった。
「久し振りだな、リヒテル」
まずは彼の方から挨拶があった。
「メルビ補佐官、よくぞ参られた」
儀礼的な礼を返す。だがメルビはそれを手で払った。
「歓迎しても何もでんぞ、ふふふ」
「・・・・・・・・・」
リヒテルは儀礼を無視したその態度に思うところがあったがこの場では言わなかった。儀礼に従い言葉を続ける。これがバームの儀礼であることは言うまでもない。
「それではそなたがここへ来た理由を聞かせてもらおう」
「俺がここへ来た理由か」
「そうだ」
リヒテルは頷いた。
「一体何の用でこちらに来られたのか。お聞かせ願いたい」
「さて、忘れたな」
メルビはとぼけた。
「何!?」
これにはリヒテルも憤りを覚えた。元々短気な気性でありそれが余計に彼の怒りを刺激した。
「まあそう怒るな」
だがそれでもメルビは至って落ち着いていた。いや、ふざけているような態度であった。
「それとも大元帥に聞かせたくはない話でもあるというのか?ん?」
「馬鹿な」
ここでリヒテルはあることに気付いた。
「待たれよ」
「何だ」
「メルビ補佐官・・・・・・。そなた酔っておられるのか!?」
「如何にも」
彼は恥じることなくそう答えた。
「酒を飲めば酔う。これは当然のことであろう」
「馬鹿な」
それを聞いてライザが顔を顰めさせた。
「さて、面妖な」
だがそれでもメルビは笑っていた。
「大元帥の甥が酒を飲んではならないという法律でもあるというのか?」
彼はそう嘯いた。リヒ
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