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自由気ままにリリカル記
十話〜行き詰ったら、休憩です。〜3月24日修正
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の愛剣に魂を刻み込んだため、この大剣は最早英雄の意志―――戦いたいという意志のみ―――が宿っている。
だから、これを不運にも手にした者は一瞬で意識を英雄に乗っ取られ、周りを皆殺しし始め、ふと目が覚めた時には周りは血の海という傍迷惑この上ない呪いの効果が付いてるからだという冗談のような本当の話があったりするからである。


勿論、呪いの武器にカテゴライズされている。


では、何故俺は何の問題も無く扱えているのだという話になるが、元々この剣と俺は一度も直接触れ合っていないのだから意識を奪われなくて当然だ。

手袋である左手で常に触れば実際に大丈夫だったのだから仕様が無い。

これは俺の持っている武器の中でも突出して異質で、レアな武器だったため、他の武器に比べ、流し込まれる膨大な魔力に耐えて後少しで呪いが成立するとでもいうかのように薄紫色の光を放ち始めた段階で、バン、だ。
爆発する寸前に歴戦の猛者のような顔の男がかなり恨めしそうな顔が見えた気がする。
その瞬間に隣で興味深げに俺の実験の様子をアリシアが見ていたなら一瞬で俺の中に逃げ帰る程ビビっただろうが、残念ながら現在アリシアはリニスに憑いて移動している。
最近はよくリニスに憑いてどこかに行くことが多いが何をしているのかは教えてくれない。



「しかし…………。ふむ……」

正直に言おう。詰まった。


今まで数十回の実験から見るに呪いの媒体としては呪いの武器を使えばかなり相性が良いことが分かったが、残念ながらあの大剣が俺が唯一保存している呪いのブツにして、あの世界で五本の指に入るレベルのヤバい武器だった。


つまり、俺の持ち物であれ以上の結果を出せる媒体は無いし、あれ以上にレアな武器を持っていないことも無いが、どれも五十歩百歩。と言ったところだ。


「さて、どうしよう。これはまじでヤバいんじゃないか? 管理局が地球に来る前に呪いを完成させないとジュエルシードを持っている言い訳が出来ねえぞ?」

いや、本当まじでどうしよう。

さっきの大剣の時に適当に俺の体にも制約を付ければ成功したのかもしれないが、今となってはそれも無理だ。
それ以前にどうやって管制人格に渡すんだよ。これ持ってると人間になれるから持ってて? 持った瞬間に意識が乗っ取られるわこの野郎。
こうなったら神頼みならぬ、転生者頼み? 誰かが気まぐれに助けてくれるかもしれない結果をただ博打のように待つのか?
いや、それも駄目だ。そんな成功するかどうかも分からない事なんてしたくない。


『あの、マスター』

あれも駄目。これも駄目。と、俺がうんうん唸っているとさっきまで黙っていたルナが急に話しかけてきた。

「なんだ? ルナ。今は少し考えるのに忙しいんだけど」

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