第11話 逢“魔”時(2)
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ド……」
『Receipt number 21』
なのはがふら、とそれに近づくと、杖が自動的にその宝石を吸収する。
その作業が終わると、白い服から、先程まで着ていた黄色い私服になのはの服が戻り、杖も赤い宝石となって、なのはの手のひらに収まってしまった。
「ふぇ……」
「なのはちゃん!」
「…なのは」
呆気にとられるなのはに、後ろから声がかかる。
振り向けば、すずかや純吾などの友人、それに翼を生やしたままのリリーと青い巨人、そして、すずかの腕に抱かれているユーノがいた。
純吾とリリーは、何かを成し遂げたかのような誇らしげな顔、マハカーラはすずかを守りきった事への満足感を湛えた顔。
そしてすずかは憧れのような、眩しそうな顔をしてなのはを見ている。
「…これで、ジュエルシードが一つ封印できた…。なのはさん、事情もあまり話せず、本当に、すいま、せんで……」
その中でも、ユーノがお礼を言おうとするが、途中で気絶してしまった。
「にゃ! ユーノ君、大丈夫なの!?」
「包帯から血はにじんでないし…、単なる疲れだと思うよ。けど、ここから早く離れたほうがいいかもしれないね」
パタパタと手を上下させながら慌てるなのはを落ち着かせるように、すずかが言う。
彼には聞きたい事が山ほどあったために、彼女自身も少し慌ててはいたが、目の前で彼女以上に慌てるなのはを見て、少し冷静になったようだ。
「あっ、確かにユーノ君を早くゆっくりさせてあげないと!」
「それもあるんだけど……」
なのはの問に、困ったような顔をするすずか。
そこに、純吾が話に割り込んでくる。心なしか眉根を寄せて、彼も困ったような表情だ。
「ん…。周り、ぼろぼろにしちゃった」
その言葉に、ギギギィ…、と音がするんじゃないかという位機械的に、ゆっくりとなのはが首が回る限りの辺りを見回す。
周りは、銃撃戦でもあったんじゃないか、と疑ってしまう位ボロボロだった。
道路と住宅を遮る壁は、随所にモンスターの破片が散った際の小さな穴があいているし、モンスターの体が激突したところなんて、壁が崩れてかけて大きくひび割れている所もある。
道路も同じような惨状。いや、純吾が最後にモンスターを攻撃した所は、コンクリートがえぐれて、地面まで見えてしまっていた。
はっきり言って、今まで人が出てこなかったのが奇跡のような状態だ。
「ま、昔からよく言うわよね。こーゆー時は、逃げるが勝ちってやつ♪」
「ご、ゴメンナサイなの〜〜〜!!」
そう楽しそうにリリーが言うと、必死になって謝るなのはと一緒に風のように一行はその場を後にした。
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