第11話 逢“魔”時(2)
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く白く輝くその姿。さしずめ、光の女神
てんし
と言ったところか…」
傍でその姿を目の当たりにしたすずかとマハカーラが呟く。
闇夜に浮かぶ少女。夜と闇に関わる2人にとっては、眩しいくらい輝いて見えたのだ。
「バリアジャケットの構築も終わった…、なのはさん! モンスターに向かって封印魔法を!」
ユーノが魔法の成功に、興奮した様子で叫ぶ。
なのはが持っていた魔法の才能は、先程まで巻き込んでしまった彼女に対して、彼が抱いていた罪悪感を吹き飛ばしてしまうほどのものだったのだ。
「えぇ? いきなり、そんな事言われても、分からないよぅ……」
しかしユーノの言葉に、なのはは杖を抱きしめ困惑する。才能はすごいが、訳も分からずしかも使い方も説明されないままその力を使いこなせるはずがない。
「す、すみません。魔法の説明もなしに…。魔法は、術者の精神エネルギーを使って、発動体に組み込んだプログラムによって発動をします。
そのため基本的な魔法は、心に願うだけで発動をする事が出来ますが、より大きな力、今回のような封印魔法には、呪文が必要となってきます。
心を澄ませて。……心の中に、あなたの、あなただけの呪文が浮かぶはずです」
「よ、良く分からないけど、分かったの! え〜と…」
そう言ってなのはは再び目を閉じる。そのまま、唸ったり眉根を寄せて力んでみたりするが
「だ、だめ…。こんなときに、何もしないで目を閉じるなんて出来ないの……」
恐々と目を開け、力無くそう言った。
さっきはただ言葉を紡ぐだけだったので、内心どう思おうが魔法は発動し、バリアジャケットを展開する事ができた。
しかし、今回は自分の心の内から、あるかも分からない呪文を探し出せという。化け物が至近にいる中、平凡な小学生だったなのはに集中しろと言う方が酷である。
「なのは!」
と、その時突然名前を呼ばれる。
吃驚したようになのはは呼ばれた方――化け物がいる前方――に視線を向けると、純吾とリリーがこちらを向いていた。
ひらひらと手を振り、振り向いた顔には余裕の表情を見せるリリーと。
いつもの不機嫌そうな、眠たそうな顔をしている純吾。視線を向けられた事に気づき、コクン、と頷く。
たったそれだけ。それだけの事で、なのはの不安はすっかり解消されてしまった。
目の前には、命を賭して自分を守ってくれる人たちがいてくれた。その事が、彼女に安心感を与える。
さらに横に目を向ける。ここにも、自分の事を守ってくれる存在と、そして自分が守りたい親友の姿。
彼らが、自分に期待を寄せてくれている。
その事を感じながら、今度は落ち着いた様子で目を閉じる。今なら、心に何かが浮かんでくるのでは
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