第9話 転入生と茶碗蒸し
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りする少女たちだった。
「……で、純吾君。その人、誰なの?」
気を取り直して、先程まで女性の座っていたテーブルに座るなのはたち。4人がけの席になのは、すずか、アリサそれに、膝に純吾を乗せてニコニコ顔の女性が座っている。
気のせいか、先の問をしたなのはやアリサ、それにこの光景を見慣れたはずのすずかの純吾に視線がきつい。
「はじめまして。わたし、ジュンゴの義姉の、ぎ・り・の姉のリリーって言います♪
あっ、義理ってとこ大事だからね。そうじゃないとジュンゴとけっ――」
「小学生相手に何言ってるのよこのショタコン! それに、さっきやっぱりアサリンって! 何なのよアサリンって! 純吾もリリーさんもアサリンって!」
「お姉さんと約束だぞ☆」と言わんばかりの、人さし指を立てウィンクしてなのはの問にリリーが答える。
その危ない発言を必死に遮るアリサ。途中から、発言に対する注意以上に必死な様子でアサリンに話題が移ったのは、彼女の関心はやっぱりそこにあるから仕方のないことだ。
「……アサリンは、アリサだよ? ティコ、言ってた」
「私は純吾が言ってたから。アサリンがいいねとジュンゴが言ったから、今日からあなたはアサリン記念日♪」
不思議そうな顔をする純吾と、そんな純吾を見て顔を緩めつつ答えるリリー。
そんなぼけをかます2人の様子を見て、アリサは机に肘をつき、思わず両手で頭を抱えてしまう。返す言葉もない、彼女は始めてあった日のこの二人の天然掛け合いを思い出して頭が痛くなっていたのだ。
―――自分ではツッコミきれない、と
「ふふっ、ちょっとお邪魔してもいいかしら?」
そんな混沌とした席に現れる救いの女神。
なのはと同じ亜麻色の髪を長く伸ばして、柔和な笑みをその顔に浮かべている女性。喫茶「翠屋」の名物店主にしてパティシエの高町桃子だ。
「あ、おかーさんただいまなの」
「「お邪魔してます」」
「……こにちは」
「はい、ようこそ翠屋へ。あら、そちらの彼は初めて見るわね」
ちら、と桃子が純吾の方を向いた。その視線に固くなる純吾と、そんな純吾をぎゅっと抱きしめるリリー。
そんな様子に桃子は「あらあら」と笑みを深めた。
「あ、はい。今日は純吾君の転入おめでとう会をしようって来たんです」
桃子の問いにすずかが返し、それと併せて純吾の事を簡単に説明した。
「そう、あなたが恭也が言ってたお弟子さんね。
じゃあ改めて、はじめまして。私は恭也となのはの母の高町桃子です。ここ翠屋のパティシエもしているわ。恭也となのはともども、よろしくね」
「ん、鳥居、純吾」
「はじめまして、ジュンゴの義姉の、リリーっていいます」
無難に返す純
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