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リリカルってなんですか?
無印編
第二十二話 裏 後 (なのは、クロノ、プレシア、リンディ)
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い武装隊の面々。いや、正確にはそれしかできないというところだろうか。無用意に動けば、空間を蹂躙しているアクセルシュータにぶつかってしまうかもしれない。傀儡兵を一撃で粉々にするようなアクセルシュータだ。誰もそれを喰らいたくはなかった。

 彼女の登場から五分。武装隊の二倍はあったはずの傀儡兵は、次々と桃色のアクセルシュータに蹂躙され、ついに広間からすべての傀儡兵が駆逐された。それを確認した乱入者の彼女は、空間内に存在していたすべてのアクセルシュータを消す。そして、粉々になった傀儡兵が転がる広間を悠々とゆっくりと歩き始めた。向かう先は一直線にクロノが消えた通路の先だ。

 彼女の前には武装隊の面々もいたが、彼女を恐れるように素直に道を空ける。その様子はまるで、彼女のために用意された花道のようだった。

 だが、それを阻むような地響きが広間を襲う。広間の壁を壊しながら現れたのは、襲ってきた傀儡兵よりも二周りほど大きな傀儡兵だった。背中には大きな発射台を背負っている。それを黒い彼女は一瞥しただけだった。まるで意に介さないといわんばかりに。

 相手にされない事が腹立たしかったのか―――傀儡兵に意思があるかどうか不明だが―――まるで、ムキになったように背中の発射台を彼女に向ける。だが、それでも彼女は意に介さずすたすたと歩き続ける。段々と魔力を集束しはじめる発射台。その魔力はAAAランクに相当することを部隊長である彼は肌で感じていた。

 それでも対策をとろうとしない彼女。武装隊の誰かが「危ないぞっ!」と叫ぶが、助けにははいらない。入れない。無闇に助けに入れば、むしろ邪魔になることが分かっているからだ。

 そして、とうとう、発射台からAAAランクの魔力が集束された砲撃魔法が発射された。その魔力の奔流はまっすぐ彼女へと向けられる。だが、それに対して彼女はようやく反応を見せたと思ったが、それでも右手を軽く上げるだけだ。そして、一言だけ呟く。

「プロテクション」

 彼女の手に平に沿うように、彼女を護るように円形の盾が形成される。誰がどうみても初歩的な防御魔法であるプロテクションであった。普通に考えれば、初歩的な防御魔法であるプロテクションで、あの砲撃魔法が防げるとは到底思えない。思えないのだが、規格外の魔力を漂わせている彼女なら、あるいは、と誰もが考えているからか、その様子を固唾を呑んで見守る以外に武装隊の面々が取る行動はなかった。

 そして、ついに砲撃魔法と防御魔法が激突する。平均的な武装隊が張った防御魔法であれば、あっという間に吹き飛ばされるだろうが、彼女はその常識をいとも容易く破り、彼女の足元が広間の地面に数センチ沈み込むような衝撃を受けながらも、微動だもせずにその砲撃魔法を受けきってしまった。

 砲撃魔法を受けきった彼
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