無印編
第二十二話 裏 後 (なのは、クロノ、プレシア、リンディ)
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えはシンプルだった。だが、それを聞いたプレシアは、その答えが信じられないように驚愕で満ちていた。
「なっ!」
「だって、言ったでしょう―――」
地面にはいつくばり、平伏するようなプレシアを愉快に思い、嗤いながらなのははプレシアに告げる。
――― 絶 対 に 許 さ な い って。
直後、なのはの掌から簡単な射撃魔法が発射される。それは、いとも簡単に容器の表面を貫いた。だが、その貫いた穴は掌よりも小さく、しかしながら、容器という密閉された空間に空いた穴からは、そこからちょろちょろと中に入っていた液体を垂れ流していた。
「あっ、あっ、嗚呼嗚呼あああああああああああああああああっ!」
動かないであろう身体を無理矢理鞭打つようにして、動かし、スプリンターのスタートダッシュのように駆けたプレシアは、邪魔だ、といわんばかりになのはを押して、アリシアの入った容器に縋りつくようにして小さく開いた穴を必死に塞ぐ。プレシアが掌で塞いだことで確かに液体が流れ出るのは僅かに止まっていた。
しかし、その状況をなのはが素直に許すはずがなかった。
「ほらほら、急がないと全部出ちゃうよ?」
そういいながら、次から次に細い射撃魔法を打ち出す。それらは決して中のアリシアに当たらないように、しかし、容器に穴を開けるように。空いた穴の数は合計十四。それらの穴から液体から流れ出る。それを必死に止めようとするプレシア。しかしながら、人間の手は二本しかない。どうやっても十四もの穴を防げるはずもなかった。
「あはっ! あはっ! あはははははははははっ!!」
容器から出る液体を止めるために必死に踊るようにして動くプレシアを見ながらなのはは嗤っていた。その姿があまりに滑稽で。大切なものを守るために行動しておきながら、まったく守れていない彼女の行動を見て。少しずつ、カウントダウンのように大切なものを失うことへの恐怖を感じているであろうプレシアの恐怖を想像して。なのはは嗤っていた。
やがて、空いた穴からすべての液体が垂れ流れるのにさほど時間は必要なかった。容器の周りには流れ出た液体と打ちひしがれたプレシア。そして、容器の中には、糸の切れた人形のように崩れ落ちたアリシアの姿だけだった。
そのプレシアの姿を見て少しだけ気が済んだなのは。だが、だがしかし、こんなもので終わってはいけない。プレシアはすべての黒幕なのだから。
―――こいつがいなければ、ショウくんが傷つくことはなかった。あの黒い敵がショウくんの妹になることもなかった。
全部全部プレシアの所為だった。だから、こんなものでは許せそうになかった。
そんなプレシアの隣に立ち、なのはは、打ちひしがれているプレシアに追い討ちをかけ
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