無印編
第二十二話 裏 後 (なのは、クロノ、プレシア、リンディ)
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その声が聞こえた直後、JSプログラムによってシリアル番号1から6番までのジュエルシードによって、なのはの身体中から魔力が迸った。6つ起動したジュエルシードのうち、1つはレイジングハートの強化、1つはなのはの身体の強化、残り4つが魔力タンクとなっている。それらの魔力が、まるで、鎧のようになのはを覆うように展開される。それが、ただの漏れでた魔力だと誰が信じられるだろうか。だが、それが実際に起きていた。その魔力による鎧は、なのはに届くはずだったSSランクの魔法すべてを遮断していた。
「ふっ、ふははははははははははっ!!」
自分の奥底から感じる力を実感して、なのはは笑い声を上げることをとめられなかった。
これが、これこそが、なのはの求めた力だったからだ。なのはに敵対するすべてのものを一蹴できるほどの力。翔太をずっと、かすり傷一つなく守れる力。それが確実に手に入った実感だった。
ああ、そうだ。だから、まずは手始めに――――あの魔女を壊そう。
そう思い、なのははプレシアに近づく。途中で、小賢しい程度に射撃魔法がなのはを襲ったが、魔力の鎧の前にそれらはすべてかき消されていた。なのはからしてみれば、豆鉄砲を受けたほどの威力しかない。
だが、いくら痛くないからと言っても、数千もの射撃魔法を受けるのは、さすがに煩わしい。だから、三つ同時に魔法を展開しそうになっていたプレシアをバインドで縛って、上空へと持っていった。粛清だけなら、地上のままでもよかったのだが、ついでにプレシアの力の源になっているものも壊そうと思ったのだ。
今のなのはにはそれがはっきりと感じられた。時の庭園の最上部と中心部に置かれた動力機関。ロストロギアに近い時の庭園の動力とヒュードラだろう。それらを壊すついでにプレシアに粛清を与えるのだ。ならば、魔法はそれにふさわしいものでなければならない。
空中にプレシアを固定したなのはは、すぅ、と杖を構える。
同時に杖先に集まる魔力。今までの戦闘の中で使われず空中を浮遊している魔力の残滓を集めて、魔法と成す。なのはが好んで使うディバインバスターの進化魔法だ。その名も―――
「スターライト――――」
ぶんっ! とレイジングハート振りかぶる。口の端が釣りあがり、笑うのを止められない。そして、何か喚いているプレシアにめがけて、レイジングハートをまっすぐと振り下ろした。
「――――ブレイカーっ!!!」
直径がなのはの身長ほどありそうな球体から放たれた砲撃魔法は、上空のプレシアを飲み込み、貫いた後、勢いが衰えることなく、まっすぐ時の庭園を貫く。なのはたちがいる場所は最下層であり、それが最上層部の動力源めがけて撃たれたのだ。外から見れば、時の庭園全体が撃ち抜かれたように見えるだろう
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