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リリカルってなんですか?
無印編
第二十二話 裏 後 (なのは、クロノ、プレシア、リンディ)
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  ◇  ◇  ◇



 プレシア・テスタロッサは同時にSSランクの魔法が同時に三つも直撃したのを見て、勝った、と確信していた。相手がいくらSSSランクの魔導師とはいえ、SSランクの魔法を同時に三つを直撃して生きているはずがない。忌々しき過去の遺産であるヒュードラでさえも使って掴んだのだから。

 しかし、それでも、プレシアはほんの一欠けらだけ残った可能性を疑って構えを崩すことはなかった。確かに高町なのはは、SSSランクだった。だが、それでも奇怪な点がいくつもあるからだ。急に成長した身体と魔力。どちらも短期間で成長するとは思えない。どうやったかは研究者であるはずのプレシアですら分からなかった。

 だから、その点が気味悪くて。小骨が刺さったような違和感を拭えなくて、プレシアは油断しなかった。それは結果として功を奏することになる。

 カツン、カツン、という足音が不意に聞こえた。

 同時に直撃した魔法による爆発。SSランクの魔法は床を打ち砕き、煙を巻き上げている。その向こう側から音が響いてくる。

 カツン、カツン、とゆっくりと。

 ―――まさかっ!? そんなはずないっ!!

 その音の正体を考えて、自分でその考えを否定する。それはあってはいけない事実だからだ。それはプレシアの常識を崩壊させる思考だからだ。だが、そんなプレシアの思考を無視して、煙をカーテンを開くようにして漆黒のワンピースと赤い文様のバリアジャケットに包まれた魔導師―――高町なのはが現れた。

「なぜっ!? なぜっなぜっなぜっなぜっなぜっなぜっっ!?」

 その問いに目の前の高町なのは答えない。煙の向こう側から出てきたときに一瞬だけ足を止めたが、また何事もなかったように近づいてくる。

 先ほどの三発の魔法も何もかもなかったように歩いてくるなのはに戦慄を覚えないはずがない。恐怖を覚えたプレシアは、周りの補助用の魔方陣を使って、自分の中でも最強の魔法を起動させる。

 ―――トライデントスマッシャー

 三つ矛のように分かれた直射砲撃がなのはに向かって一直線に飛ぶ。そして、着弾地点であるなのはに命中する直前で結合し、三つの威力を保ったまま雷の力を宿した力はなのはへ向かい――――まるで、寄ってきた虫でも払うように手首のスナップだけで、その魔法をかき消した。

 その光景にプレシアは声が出せなかった。

 SSランクの、しかも、雷の力を帯びたプレシアの手持ちの魔法の中でも最強の威力を持つ砲撃魔法だ。それを、虫でも払うかのような動きだけで、相殺した。プレシアには、どうしても信じる事ができなかった。

 ―――今のは何かの間違いよ。

 そう思い、今度はフォトンランサー・ファランクスシフトを展開する。四十以上のフォ
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