第2章 真の貴族
第20話 フリッグの舞踏会
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ちょっと、忍。それに、キュルケ。
俺は、ダンスなんて踊れないんだよ!」
そう言いながらも、キュルケに引っ張られてホールの中心に連れ出されて仕舞う才人。
尚、キュルケが俺の方を一瞬見た時に、意味あり気にウインクをしていたけど、あれは、才人の背中を押してやった事に対する感謝の意味だったのでしょうか。
一応、才人の背中に対して心の中だけで両手を合わせながら、ただ見送るのみの俺。
多分、才人ならキュルケの足を踏むような無様なマネは……。お約束を外さない漢ですから、きっちりとこなしてくれますか。
キュルケの足を踏むのでは無く、自らの御主人様の足を踏む、と言うイベントの方を。
足ではなく、虎の尾の可能性の方が高いかも知れないのですが……。
えっと、そうしたら……。
才人の背中を見送った時に少し視線を切って、ホールの方を見たけど、再びテーブルの方を見つめた俺の視線の先には、俺の御主人様の蒼き姫が居る事に少し安心する。
それに、気配が消えていないから、何も問題がない事は判っていたのですけど、それでも妙な連中にタバサが狙われている可能性が有るから警戒し過ぎると言う事はないと思いますしね。
尚、俺の視線に気付いたのでしょうね。少し、こちらの方を見つめた後、再び食事に戻る俺の蒼い御主人様。
しかし、この少女の何処にこれだけの食糧を詰め込むスペースが有るのでしょうかね。
最初の内は、俺の用意する食べ物が美味しくて食べ過ぎているのかと思っていたけど、それだけが理由では無くて、元々、彼女自身がかなりの大食漢……では漢になるか。健啖家だったらしいんですよね。
まぁ、地球世界のフランスの王ルイ14世も歴史に残るほどの健啖家として知られて居ますから、その異世界の写しであるガリア王家の人間に健啖家が現われたとしても不思議ではありませんか。
そう考えながら少しタバサの方に近付いて行く俺。
もっとも、この世界の料理を取る為に近付いて行く訳などでは無く、少し彼女に近付いて置きたかっただけなのですが。
それに、ワルツを踊っている連中が増えて来ましたから、俺の立っているここは少々邪魔になるかも知れない場所です。流石に、一世一代のダンスの邪魔するようなマネをして、関係のない連中から妙な恨みを買いたくは有りませんから。
しかし……。
「ねぇ、シノブ。ウチの馬鹿犬を知らない?」
タバサの方向に進み掛けた俺に、良く知っているピンク色の少女が声を掛けて来た。
もっとも、彼女の事はこちらの世界に来てからは良く知っているのですが、彼女の飼っている犬と言う存在の事を、俺は知らないのですが。
それに、そのルイズの台詞自体、かなりイライラとした雰囲気で、どう考えても安定し
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