第2章 真の貴族
第20話 フリッグの舞踏会
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明すると呑気に遊んでいたみたいに聞こえますね。実際の内容は、妙に死に近い位置に居たのですけど……。
但し、これはすべて事実。言葉と言葉の間に、多少、省略した部分は存在しますが、内容に関しては虚偽の報告に当たる部分は存在しません。
「……って、タバサとふたりで遊んでいたのかよ!」
才人のお約束のツッコミ。
矢張り、そう思いますよね。この話を聞いただけでは。
もっとも、少し、間違っている点も有るのですが。
「いや、タバサとふたりだけやないで。ジョルジュ・ド・モーリエンヌと言うガリアからの留学生の実家に招待されていたからな」
そう答える俺。まぁ、これも、ある意味間違いではないと思います。何故ならば、あの任務自体が、本来はサヴォワ家が代々取り仕切って来た任務のはずですから。
但し、才人に対しての説明としては、圧倒的に言葉が足りないのは事実なのですが。
「ジョルジュって、忍と魔法の模擬戦をやったって、言う相手の名前じゃ……」
まぁ、聞いていて当然かな。そう考えてから首肯く俺。そして、
「付き合って見たら案外、面白い奴やったからな。
それで、実家の方に招待してくれると言うから、タバサと一緒に行って来たんや」
かなり、軽い口調で、そう答えて置く。
但し、確かに、ある意味、面白い相手ですけど、もしかすると非常に危険かも知れない。
そう言う相手でも有ります。彼、ジョルジュ・ド・モーリエンヌ=サヴォワ伯長子は。
「ちょっと、お二人さん。男同士で話していて、何か楽しい事でも有るって言うの?」
それまで流れていた軽妙な調子の音楽が終了した刹那、俺の背後。具体的には、多くの若い貴族たちが舞い踊るホールの中央部から掛けられる若い女性の声。
やれやれ。俺を着せ替え人形にしてからかった元凶が近付いて来ましたよ。
……それも、彼女の取り巻きの男子生徒達を引き連れて。
そう考えながら振り返った俺の視界の中心に、このダンスパーティの主役然とした褐色の肌、見事な赤毛を持つ少女と、その取り巻きの一山幾らの連中が存在していた。
キュルケが、胸の前に腕を組んだ状態で、俺と、そしてその隣に立つ才人を見つめる。その腕の上に存在する……。
………………。
イカン。見る心算もないのに、何故か其処に視線が自然と向かって仕舞う。
それにしても、やたらと胸を強調したパーティ用の紅いドレスですね。そして、これが、彼女に取っての戦闘服で有るのは間違いないな。
自らの武器を強調しているのですからね。
「まぁ、才人はどうか判らへんけど、俺はこんなトコロに足を踏み入れた事がないからな。
少し、場違いな雰囲気で浮いた存在に成っているだけや」
目のやり場に困りな
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