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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第101話:スバルの先生は誰に?
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められてないってことなんです。
 最初のうちは、もっと鍛えれば・・・って思ってたんですけど、
 何回も繰り返してるうちに、攻撃に出る機会が少ないなって気付いて・・・。
 思い返してみると、ティアが相手だと前からそうだったんですよね。
 で、これまでの模擬戦を何度も見直したんですけど、
 何が悪いのか全然判んなくって・・・」

スバルはそこまで喋ると、再び黙りこんでしまった。
その表情は、今にも泣き出しそうに見えた。

「なるほどね・・・」

俺はそこで一旦間をとると、その先に続ける言葉を選ぶ。

「スバル」

努めて穏やかな声で呼ぶと、スバルはパッと顔を上げる。

「俺もスバルが言ったとおりだと思ってるよ。
 お前がうまく攻撃に入れないのは、距離をきちんと詰められていないからだ。
 きちんと自分の戦いを分析できてる。よく頑張ったな」

スバルは俺の言葉に驚いたようで、目を丸くしている。

「あとは、なぜきっちり距離を詰められなかったかが判れば、
 どうすればいいかが判るよな」

スバルが神妙な顔で頷く。

「で、俺の考えを言わせてもらうとな。スバルは移動に時間を
 かけすぎなんじゃないかと思うんだよ」

「移動にって・・・スピードが足りないってことですか?」

スバルの問いに、俺は首を横に振って答える。

「それもあるかもしれないけど、本質はそうじゃないと思うよ。
 俺が思うに、スバルは行動の決断が遅すぎることがあるんだ。
 たとえば、この場面だ」

俺は手元の端末を操作して、スバルとティアナの模擬戦の一場面を映す。
ティアナの姿を幻影と見破れないまま攻撃し、状況に混乱したスバルは
一瞬その場に立ちすくむ。ティアナがそのスキを逃さず、集中砲火によって
スバルを撃墜した場面だ。

「この場面、自分が罠にはまったと気付いた瞬間に、その場から動いていれば
 少なくとも集中砲火を食らうことはなかったろうな」

「でも、罠を見破れるようにするのが本当じゃないですか?」

「そりゃ無理だ。罠の可能性を考えることは必要だけど、100%見破るなんて
 俺やなのはでも無理だよ」

俺がそう言うと、隣に座るなのはも頷く。

「しかも、お前は近接戦闘がメインだろ。先に仕掛ける方が有利な筈だよ。
 それにな、スバルくらいの攻撃力や突破力があれば、罠と知りつつ
 突っ込みながらも、その罠を踏み破ることができると思うんだよ。
 そのためには、瞬時に次の行動を決定できなきゃいけない。
 お前にはその判断力を磨いてほしいんだ」
 
「はあ・・・」

「で、それを手助けするのには、俺じゃ役者不足なんだよ」

「なんでですか?」

スバルは首を傾げつつ、尋ねてく
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