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SAO─戦士達の物語
GGO編
百四話 閃く青光、撃ち抜く巨銃
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たリョウとは対照的に、アイリは軽くパニック気味だ。
確かにM2の有効射程距離は2000m以上あると言われているので、理論上ここから狙撃して相手に当てる事は可能だが、しかしこの銃はあくまでも重機関銃である。元々狙撃用に作られてはいないし、確かに歴史上でM2によって2000m級の狙撃を成功させた人物は存在するが、それはあくまでアメリカでも凄腕のスナイパーの話しだ。狙撃のその字も知らない素人にできるとは思えない。

「スコープは?」
「目視で」
「手ぶれは?」
「まぁ、台はあるしな」
「…………」
どう質問しても特にさしたることも無げに答えるリョウに、最早アイリは絶句する。その眼はまるで、哀れな子供を見るようにも見える。

「なんだよその眼は」
「あのね、リョウ。チャレンジすることは悪い事じゃないと思うんだけど……」
「おーい、忠告する前から失敗前提かよ。問題ねぇって。狙撃なんざ狙って、撃って、当てるだけだろ?」
「それシノンに言ったら上半身吹き飛ばされるよ?」
「おぉ、怖えぇ」
言いながら、リョウはとりあえず。と言った様子でM2を立てて、伏射姿勢を取り、がれきを利用して射角を取る。

「え、え!?本当にやるの!?」
「本当にやる」
先程反射光が見えたのはここからかなり離れたビルの五階辺りだ。そこに向けて、リョウは狙いを付けて行く。

「あ、ああぁ!じゃ、じゃあせめて位置特定!これ使って!!」
「お?」
アイリが慌てたように円柱状の白い物を取り出し、リョウの視界を遮る。

「遠距離観察用の望遠鏡!」
「お、ありがてぇや……けど撃つとなると……あ、良いや、アイリちっと頼みがあんだけどよ」
「え?」
アイリが小首をかしげると、リョウは何でも無い事であるかのように言う。

「その望遠鏡、M2の上くらいで固定してくんね?お前が持っててくれりゃ良いからよ」
「えぇ!?」
「ほれ、早くしろ」
「え、あ、う、うん……」
急かされ、アイリは仕方なくM2の上部分にスコープを持っていく。

「っと、そこだと排夾の直撃コース。あーそうそう、そこ。そこで固定な。いくぞ〜」
「うー……ゆれる……」
ぎくしゃくした様子で望遠鏡を動かすアイリに指示をだし、リョウは望遠鏡を覗きこむ。視線の先に、膝立ちの姿勢で周囲に獲物が居ないかを探す男の姿が見えた。スコープのカバーは下している。どうやら先程のはなにかの偶然のようだ。
リョウは胸を狙って、M2を微調整。この銃の口径になると、最早頭に当たろうが胸に当たろうが関係なく対象を撃ち抜ける。

『流石に揺れるか……』
アイリが持っているので当たり前なのだが、少々望遠鏡が揺れる。
ちなみに、アイリの方はリョウと距離が近いためびくびくしている。

「うし、大体あちらさんの
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