GGO編
百四話 閃く青光、撃ち抜く巨銃
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名前が“無い”と言うことは有り得ないのである。
が……
「っ!アイリ、出てる点は幾つだ!?」
「え?わわ……」
とは言っても光点は既に点滅を始めている。空を衛星が飛び去ろうとしているためでもう直ぐ表示が消える合図だ。もう一、二秒で全ての表示が消える。時間がない……!
「……!」
瞬間的に、リョウは脳が澄んだような感覚を覚える、そのまま一気に、リョウは画面に“集中”する……
『10……20……30……』
数え終えた瞬間に、光点が全て消えた。
「あー……ごめんリョウ、わかんなかった……」
「いんや、問題ねえ。こっちで全部数えた」
「えぇっ!?」
アイリが驚いたように目を見開く。各場所に散った点滅する光点を、あの数秒で全て数えたとすると……
「つっても、数えられたのが運が良かったって言えんのかはわかんねえけどな」
「え……」
歯噛みしながら言ったリョウをアイリは見返す。
「どういう……」
「……とりあえず、移動しようや。俺とお前、すぐ近くに居たんだ、戦闘してっと思われて、おこぼれ狙いに撃たれちゃまためんどくせえ事にならぁ」
「あ、うん……」
そう言うと、歩き出したリョウに続いて、アイリも踏み出した。
――――
「さて、結論から言うとな、光点は38個しか無かった」
「えっ……」
田園地帯の村から離れ、市街地帯へと続く谷間の坂を塞ぐように建つ如何にも町外れと言った様子で建つ五階立てビルの内部に隠れたリョウとアイリの内、先に話し出したのはリョウだった。
アイリが呆然とした様子で呟くように言った。
「それって……」
「……まず確認しときてえんだけどよ、知られてる限り、衛星からのスキャンを逃れられる場所は、砂岩地帯の洞窟と、島ん中幾つかを流れてる河ん中だけ。合ってるか?」
「う、うん。洞窟は確認したこと無いけど、河……水の中って説は間違いないよ」
アイリの答えに、リョウが首を傾げる。
「根拠は?」
と、アイリは何故か恥ずかしげにえへへ……と笑うと、
「初めてその方法使ったの、私だから」
「なーる……」
それならば間違い在るまい。話しを戻す。
「そんじゃどっかの変人をともかくとして、それらの隠れ場所に居た場合、自分の端末にも相手は表示されねえわけだ。わざわざんな事する奴……普通は居ねえわな?」
リョウがおどけたようにニヤリと笑うと、アイリは拗ねたように口を尖らせる。
「変人は酷いと思うのです……でも、うん。普通はそんな事しないと思うよ。相手の位置が知れる貴重なチャンスな訳だし……」
「だとすると……」
再び神妙な顔になったリョウは、アイリの顔を正面から見ると、はっきり
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