第十五話 正義の使者ガイヤー
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星のことは御存知でしょうか」
「うむ」
彼はそれに頷いた。
「バーム星人という異星人達の手に落ちたのだったな」
「それが彼等はすぐに火星を離れまして」
「何!?」
彼はそれを聞いて怪訝そうな顔をした。
「折角占領した惑星をすぐに手放したのか」
「はい。そのかわりその衛星軌道上に巨大な船を浮かべております」
「船を」
「はい。これですが」
彼はここで一枚のホノグラフィーの写真を取り出した。そこには透明のピラミッド型の都市が浮かんでいた。
「これか」
「はい」
バスクは答えた。
「連中はこれを小バームと呼んでいるそうですが」
「小バームか」
「どうやら連中の母船の様です。ギガノスはそれに警戒しているようなのです」
「そうだったのか」
ジャミトフはそれを聞いて納得した様に頷いた。
「道理でな。だがギスカールという男はそれですぐに動きを止めるような男ではないぞ」
「はい」
バスクはジャミトフの言葉に同意した。
「伊達に連邦軍きっての切れ者であったわけではありませんからな」
「そうだ」
ジャミトフはその言葉を待っていたようであった。
「私とあの男は士官学校において同期だった」
「はい」
「その頃からいけ好かない男だった。何かと理想を説いてな」
「昔から変わってはいなかったのですな」
それはジャミトフ、バスクも同じであったが彼等はそのようなことには気付いてすらいなかった。
「今も選民思想を説いているな。もっとも私も不要な者なぞ消してしまえばいいとは思っているがな」
「同意であります」
「うむ。それに月でも何かを建造しているそうだな」
「そのようです」
バスクはまた答えた。
「残念ながら全てを掴んではおりませんが」
「月に潜伏している諜報員を増やせ。そして必ずや奴等の尻尾を掴め。よいな」
「ハッ」
ジャミトフはさらに話を続けた。
「ネオ=ジオンだが」
「はい」
「シロッコはどうしているか」
「今のところ奴等と五分に渡り合っているようです」
「そうか。ならばよい」
彼はバスクからの報告を聞いて頷いた。
「だが、わかっておるな」
「はい」
「シロッコは最後まで信用はできぬ。あの男は危険な男だ」
「それはよく存じているつもりです」
かって彼はティターンズにいた。しかし本来いた木星に戻るとそこでバルマーと手を組んだのである。それをジャミトフもバスクもよく知っていた。だからこそ彼等はシロッコを信用する気にはなれなかったのだ。
「あの戦いで死んだと思っていたがな」
「あれがクローンだったのでしょう」
「そうか」
「今ここにいるシロッコが本物であると私は思いますが」
「ならばよいがな」
ジャミトフはここで思わせぶりな言葉を口にした。
「といいますと
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