第十話 悪友との再会
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はあります」
「左様ですか」
カークスはそれを聞いて内心感銘を受けていた。二人のその言葉には高貴なる者の義務があったからである。それは彼がよく知る一人の若き君主のそれと同じであった。
(殿下もそうだな)
彼はここで自らの主君のことを思い浮かべた。だがそれは口には出さなかった。
「それではお願いします」
「はい」
それだけであった。そして二人もそれに頷きカークスに言われるまま前線に出た。二隻のオーラシップの攻撃により戦局は変わった。
「前面に火力を集中させよ」
「ハッ」
シーラの指示にカワッセが頷く。そして攻撃を仕掛ける。それによりシュテドニアス軍の陣に穴が開く。ゴラオンも攻撃を仕掛ける。
「あれがオーラシップか」
ノボトニーは二隻の戦艦の攻撃を見ながら一言口にした。
「変わった形だがかなりの強さだな」
「ええ。しかし今はこちらにも二隻おります」
「彼等か」
彼はそう答えた参謀の一人に顔を向けた。
「はい」
彼は何の疑念もなくそれに応えた。ノボトニーの真意はわかってはいない。
「スプリガンも入れると三隻です。数では我等の方が有利です」
「数ではな」
だが彼は首を縦には振らなかった。
「数だけだ」
そして感情を込めずにそう呟いた。
「?何かあるのですか」
「いや」
あえてそれには答えなかった。
「それだけだ。ところでゲア=ガリングはまだか」
「もう少し時間がかかるようです。オーラコンバーターの調子が思わしくないとか」
「そうだろうな」
これは容易に想像ができたことであった。ノボトニーにとっては。
「戦局は厳しくなってきたな」
彼はオーラシップの話から戦局に話を移した。
「そうですね、確かに」
参謀もそれに同意した。
「ラングラン軍は戦法を変えてきましたね。どうやら精霊の属性を考慮した攻撃に変えてきました」
「うむ」
「元々我が軍の魔装機はあまり高位の精霊を使ってはおりません。不利な属性相手ですとそれが特に出ますね」
「その通りだ」
ノボトニーは低い声でそれに応えた。
「このままではいかんな。我々も戦法を変えるぞ」
「ハッ」
「彼等に習う。属性を考慮して攻撃せよ。よいな」
「わかりました」
「そしてジェスハ准将に伝えよ」
今度はロドニーに指示を下した。
「魔装機神に注意せよとな。そして」
彼はモニターに映る戦場から片時も目を離さない。そして指示を下し続ける。
「徐々に退け。無駄な損害は控えるようにとな」
「了解」
こうしてノボトニーは戦いながら退却に移ろうとしていた。ロドニーもそれに従い前線の指揮を執っていた。
「流石は閣下やな」
ノボトニーの命令を聞いた時彼はそう言った。
「そうでないとあんな連中には勝てへんわ」
見れ
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