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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueWお料理、頑張りますっ!!byシャマル&シュリエル
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†††Sideシャマル†††
イリュリア戦争が終結してから早1ヵ月半。アムルの復興も順調に進んでいる。戦争前まで家族みんなと過ごしたお屋敷も、大工さん達や街のみなさんのおかげで少しずつだけど骨組みが出来始めた。
「あとどれくらいこのベルカに留まれるのだろうな・・・」
私の隣を歩くシュリエルが、屋敷の骨組みを見て寂しそうに囁いた。私たち“闇の書”の主、オーディンさんがこのベルカに訪れた理由。オーディンさんの家族を殺害した兵器、“エグリゴリ”の救済――と言う名目の全機破壊。
それが終われば、オーディンさんはベルカを去ると言っていたわ。それはつまりこの楽しい日常と決別しないといけないと言う事で。私たちは主がためだけの守護騎士ヴォルケンリッター。だから私たちから苦言を漏らす事は出来ない。
「でもエリーゼちゃんやアンナちゃんが、きっとオーディンさんを・・・」
オーディンさんの事が好きだって告白したあの2人なら、止めてくれるかもしれない。どちらかと恋仲になって、全てに決着をつけて、それからずっとこのアムルで・・・。でもそう思うと、胸がキュッと締め付けられるように痛むの。けどありえない。あってはならない感情。ううん、きっと何かの間違い・・・そう、これはそんな感情じゃないわ。
(私は人間じゃない。私は騎士。オーディンさんは主。あの人に抱ける感情は、家族愛のみ)
そう強く自分に言い聞かせる。そう、この感情は恋なんかじゃないわ。だから大丈夫。オーディンさんと、恋仲になった2人のどちらかが年老いて眠るまで、私は騎士として医者として守り続ける。自分の想いにそう見切りをつけ、午後は休みとなっている私とシュリエルはターニャちゃんの屋敷へと帰り、
「すんすん・・・良い香り♪」
厨房の方から香ってくるお昼ご飯の匂いに、「あ・・・」くぅ〜ってお腹が鳴った。意地汚いと思いつつもシュリエルと連れ立って厨房へ向かい、「ただ今帰りました」鍋の前で佇んでいるアンナちゃんに挨拶。こちらに振り向いたアンナちゃんはニコリと笑みを浮かべた。
「お帰りなさいシャマルさん、シュリエルさん。昼食、もう少しですから待っていてください」
それだけを言って調理に意識を戻したアンナちゃんは鼻歌を口遊み始めた。なんて言うかすごく楽しそうよね。あれが恋する女の子の持つ雰囲気というものなのかしら。少しばかり羨ましい。アンナちゃんを羨望の眼差しで見る。私ももう少しオーディンさん達を労いたい。
(あ、そうだわ。いい事を思いついちゃった♪)
「アンナ。頼みがあるのだが」
シュリエルがそう言って厨房に入って行く。遅れて「あの、私もお願いがあるの!」私もアンナちゃんの元へ行く。たぶんシュリエルも私と同じ考えだと思う。同じように今の生活を愛しているなら
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