暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueWお料理、頑張りますっ!!byシャマル&シュリエル
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んな人間らしい一般生活をした事なんてないんだもん。すべてが初体験なのよね。アンナちゃんは「そうですか」と唸りながら、1mほどの高さの木箱――箱の中の食材を魔力の冷気で保存する保冷庫から、真っ白い殻の卵を4個取り出す。

「オーディンさん直伝の初心者料理、卵焼きを作りましょう」

エリーゼちゃんと一緒に「卵焼き・・・」と呟いて、その完成形を思い浮かべる。あの甘くて黄色くてふわふわで、何個でも食べてしまえるようなあの美味しい卵焼きを、今から作る事が出来る・・・。それに、オーディンさん直伝と言う事で私のやる気も、さらにもっと強くなったわ。

「むぅ。あの素晴らしい料理が初心者級なのか・・・」

「パンに肉や野菜を挟んだだけでも十分な料理ですが、やっぱりそれでは物足りないでしょうから」

確かにそれくらいなら師事しなくても簡単に作れそうなのよね。エリーゼちゃんはそれを聞いて「うん。わたしはそう言うのより、手間が少し掛かるようなのがいい」って言う。簡単すぎちゃ逆にありがたみが無いものね。でも難しすぎると悲惨な結果になりそうだし。難しいところだわ・・・。

「ええ。だから私が前にオーディンさんから教わった異世界の料理や、ベルカの料理のいくつかを日を分けて教えるわ。食材と調味料に関してはオーディンさんの魔導のおかげで、ある程度の消費は許されますし」

厨房の隅っこには、食材(おもに野菜)を容れた木箱がそれぞれの種類別に数箱、砂糖や塩と言った調味料を別々に容れた(かめ)が数口置かれている。それらすべてに、増殖上等・常に万全という文字(それらからは魔力を感じる)が書かれている。
アンナちゃんが言うには、この言葉通りに容れてある物は使った分だけ増えて、決して腐らず常に最高の状態を保つみたいなの。それら魔法の容器類は、私たち“闇の書”がオーディンさんの下へ転生する前に、オーディンさんから頂いた物と言う事。

「では、これよりアンナ先生の料理教室を始めます」

「「「お願いします」」」

早速、私とシュリエルとエリーゼちゃんは習う順番を決め(エリーゼちゃんは加入が最後だったからと先を譲ってくれた)、2つ在る(かまど)の前に私とシュリエルが立つ。アンナちゃんが用意したフライパンは四角い形状の物(これもオーディンさんからの贈り物)で、コレであの卵焼きをいつも作っているとのこと。

「まず卵をよくかき混ぜます」

私たちは手渡されたボウルを作業台に置いて、卵を割・・・あ。言われたとおりにボウルの端でコンコンと卵にヒビを入れようとしたのだけど、力み過ぎたのか手の中で割れちゃったわ・・・。シュリエルが「む?」って唸るから見てみれば、私と同じように手の中で割れた卵の所為で手がグチャグチャ。

「あー、もっと優しくしないと」


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