第8話 守る、という事
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に向ける。
「俺からは攻撃はしない。遠慮せず、君の本気をぶつけてきてくれ」
純吾はそれに対して慌てることはなかった。ズボンのポケットから携帯を取り出して何度かボタンを押す。すると一瞬純吾の体が光に包まれ、すぐに元に戻った。
「……キョウヤ。キョウヤがすごい事はジュンゴでも分かる。キョウヤの前に立つと、悪魔と戦うみたいに、怖い」
そう言いながら純吾は携帯をしまい、放られた木刀を手にとる。そして何を思ったか両端を持ち
「けど、ジュンゴも命懸けで戦ってきた。だから、キョウヤも本気で……きて!」
言葉を言い終わると同時に木刀を真ん中からへし折った。ミシィ! っという鈍い音が辺りに響き、渡された木刀は力づくで真っ二つになった。その有り得ない光景に恭也が驚き、一瞬だけ構えを緩めてしまった。
純吾はその隙を見逃さず、両手に持った木刀の残骸を恭也に向かって投擲。そして自身も9歳の体では考えられないほどの速さでもって距離を詰め、恭也に向かって躍りかかった。
「うっわぁ……。えげつないやり方するわね、純吾君」
「あったり前じゃない。素人のジュンゴが生き残るために正攻法なんて使ってられない。
なら、少しでも相手の隙を突こうとするのは当然の帰結よ」
今、忍たち女性陣は屋敷2階の客間に集まり、階下の試合を見ていた。一面がガラス張りであり、屋敷裏の森を見渡す事ができるそこは2人の邪魔をせず推移を見守るには絶好の場所だった。
そして忍がえげつないと言ったのは、今純吾の木刀をへし折っての奇襲の事を言ったのである。
「じゅ、純吾君のあの力って何!?」
「そ、そうです! 何なんですかあれは!?」
「あぁ、すずちゃんはあの時見てると思ったんだけど、ノエルとファリンは仕方ないわよね。
まぁいいわ。あれは【悪魔召喚アプリ】にある機能の一つ、【ハーモナイザー】の恩恵よ」
純吾の行動に動揺しまくっているすずかやメイド姉妹たち向けて、リリーが純吾に起こっているカラクリの説明を始める。
「【ハーモナイザー】?」
「そう、本来なら人間の武器程度では倒す事の出来ない私たち悪魔に対抗するための力。ある特殊な“波長”を悪魔と同調させる事で、素手でも悪魔にダメージを与えられるようになるわ。
しかもそれだけじゃなくて、使用者に悪魔の力を上乗せさせる事ができるの。つまり」
そこでゴッ、という鈍い音が響く。なんとか奇襲をやり過ごし防御に徹していた恭也を、純吾が防御の上から力任せに吹っ飛ばした音だった。
手に持った小太刀は壊れていない。つまり恭也はしっかりと力を受け流しているはずなのだが、それでも人の体を数m吹き飛ばす光景に忍達は衝撃を受ける。
「あ〜んなことも出来ちゃうってわ
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