第8話 守る、という事
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ュンゴ君とちょっとし合ってもらおうと思って」
と、純吾が感心したのもつかの間。いきなりとんでもない提案を忍がし、慌てて恭也がそれを止めに入った。
「おい忍。彼、まだ子供じゃないか。それに、何か武道を習っているようにも見えなぃ」
(恭也、私が以前話した事は本当だっていうのにまだ信じてくれないの? 言ったでしょ、彼がこの前話したすずかたち救出の立役者で、“夜の一族“の事も知っているって。
それにその時約束してくれたの、私たちを守ってくれるって……)
しかし反対をしようとした恭也は、忍の耳打ちに一瞬恭也は目を見開き、視線を鋭くして純吾を見据えた。
「そう…か。そこまで言われたら確かめんといけないな。“守る”ことに関しては、こちらは一家訓持ちだ。純吾君」
そして、依然鋭い視線のまま純吾の名前を呼ぶ。“夜の一族”の事を知り、それでもなお忍達の事を守るとった目の前の少年。同じ決意を過去にしたものとして、興味と、決意を確かめたいという思いが出てき始めた。
「裏庭に行こう。そこで、君の決意を確かめさせてもらう」
「お願いね、恭也。それじゃあ、女性陣はテラスから高みの見物としましょう」
年長者が先に行ってしまい、こういう流れとなった。
海鳴市では郊外、それも山中に建てられている事もあり、月村邸はかなりの面積を誇っている。当然裏庭もかなり広く、屋敷後ろに広がる森までかなりの距離が整地され、普段は家族でスポーツを楽しんだり、友人らを招いてバーベキューなどをして楽しんだりしていた。
そんな裏庭で恭也と純吾は10mほど間をあけ向かい合っている。勿論ここへ遊びに来たというのではなく、2人とも真剣な表情をしてお互いを見ていた。
「純吾君。君は忍を含む月村家を守ると誓ったと聞いた。その覚悟に、偽りはないな」
鋭い視線で恭也が問う。“夜の一族”の秘密を知り、彼女たちを守り続けるという事。それを純吾よりも先に決意し、実践してきた恭也は、生半可な決意で返す事を許さない雰囲気を出している。
「ん…。ジュンゴウソつかない。この世界の縁、すずかたちを、守りたいって思う」
たどたどしくはあるが、視線だけはそらさない。真っすぐ恭也の目を見返して純吾は答えた。
恭也はしばし黙ってその目を見つめるが、純吾が真剣にそう言ったのだと判断したか、ふっと微笑を浮かべる。
「“この世界”、か。忍から少しは話を聞いたが、君にはとても入り組んだ事情があるというのは本当らしいな。……なら、後は実際に覚悟を見せてもらおう」
その言葉と同時に半身になり、右手に持った木刀を純吾に向けて放る。そして自分も木の小太刀を持ち、純吾に向けた。
恭也の顔には既に微笑はなく、打って来いとばかりに鋭い視線を純吾
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