第8話 守る、という事
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「ん…。鳥居、純吾」
「へぇ〜、あなたが忍のねぇ。あっ、私ジュンゴの姉のリリーっていいます。よろしくね♪」
純吾と一緒に、リリムがウィンクと一緒に茶目っ気たっぷりに答えた。
仲魔として常に傍にいることになってから、リリムは人前では純吾の姉としてリリーと名乗る事にしていて、リリーはユリの別称だ。
「純潔、無垢、荘厳が花言葉なんて、まさに私にふさわしい花ね♪」そう言ってノリノリなリリムが決めたのである。
その後「どこが荘厳なんだか…」と呟いたメイド姉妹へ純吾達にばれないように、悪魔としての威圧感MAXでにこやかな視線を送り姉妹を震撼させたのはここだけの秘密である。
それはさておき。
「あ、あぁ…よろしく」
知らない女性から、いきなり好意的に挨拶をされるとい不意打ちを喰らい恭也は顔を思わず赤面させてしまった。火照った顔をすぐにそらし、冷静になろうとするが
「あらぁ恭也、私の目の前で他の女に赤くなるって、どうしちゃったのかしらねぇ?」
「い、いや忍。純吾君はともかく、あんな美人いるなんて聞いてなかったぞ」
顔をそらした先には、忍がいた。
忍はニッコリ笑顔で恭也に近づくが、雰囲気が怖い。しかも先の失言に「美人かぁ、ふ〜ん」と更に笑みが深くなり、どんどん闇のようなどす黒い嫉妬交じりの雰囲気も深まっていく。
「あらあらぁ? シノブぅ〜、恭也とられちゃうって思った? シノブって自分に自信がある女性だと思ったんだけどなぁ〜」
リリムはこの前忍にからかわれた事の仕返しができたと、その光景をにやにやと眺めながら楽しげに忍を煽る。
「ケンカしちゃ、ダメ…」
ただ純吾だけが、いきなり雰囲気が悪くなった2人に驚きながらも、困惑したように眉をひそめて、たどたどしいながらも仲裁しようとしていた。
閑話休題。
「いい恭也、この次はぜーーー、ったいに! 埋め合わせしてもらうからね」
「あぁ、お手柔らかに頼むよ……」
さっきまでの凛々しい雰囲気はどこへやら、げっそりとした顔で答える恭也。女の嫉妬に駆られた忍に散々叱られ、本題に入る前に早くも体力を削られていた様子だ。
「ふぅっ……じゃあ、この件はこれで終わりね。
それで本題だけど、恭也はある剣術の師範代をしているの。それで、今日は純吾君の事を見てもらおうと思って来てもらったの」
そんなお疲れ気味な恭也を無視して手をポンと合わせ、忍は本題を話す。
高町恭也は御神真刀流小太刀二刀術の師範代であり、実力も卓越したものを持っている。忍のその言葉を聞いて、純吾はきょろっと恭也の方を向いた。
「師範代? ……すごい、努力一杯」
「えぇ、彼は幼いころから修練をしているし、実力は本物よ。だから、ジ
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