第7話 2つの誓い
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にいた奴ら全員にイイ夢見させてあげてるから、さっきニュースになってた事以上は出てこないわよ」
「それなら安心できるのかな……?
っていやいやそれより、あなたに携帯渡すってまずいでしょう。それがあるからあなた達がジュンゴ君に従ってるんでしょ?」
自分が契約した悪魔に、携帯を渡す。
つまるところ人間側の唯一のアドバンテージを相手に渡すという事に他ならない。相手に自分の命を差し出す行為を、よりにもよって一番命を脅かす可能性があるだろう悪魔に渡すなんて、到底忍達には理解できなかった。
「ジュンゴとリリムは仲魔で仲間。だから大丈夫」
けどそんな疑問に小首をかしげて答える純吾。若干サイズの大きいニット帽の下から何を言っているんだという表情をのぞかせるというおまけつきだ。
「そーよ、私たちの愛の絆はタルタロスの深淵より深いんだから!!」
「タルタルソース?」「そんな勘違いも可愛いっ!」目の前で漫才を始めるリリムと純吾。
その光景に「ハ、ハハ…」というかすれた笑いを洩らし、額に手をあてうんざりしたように忍は呟いた。
「あぁ、この子たちに、常識ってものを求めたのが間違いだったわ……」
「あの、忍さん…。その人たちって結局誰なんですか?」
一向に話の進まない3人にしびれを切らしたか、おずおずとだが前に出てくるアリサ。
やり取りの間の抜けっぷりに、目の前の彼らに敵意はないと考えたのも彼女の後を推した。
「ん…。ジュンゴは、鳥居純吾。」
「で、私はその仲魔の鬼女リリムよ。お嬢ちゃん、こんごともよろしくね♪ 」
「あ、はい。よろしく…って、それもあるけど違うわよ! あなたたちは、どうしてすずかの家にいるのって聞いてるの!!」
ペースにのまれかけていたのを強引に振り払うアリサ。ふんす、と息も荒げに彼らに迫ろうとする。
何の違和感もなくこの場にいる純吾達だが、アリサは彼らを知らない。
見ず知らずの人が自分を助けてくれるのに力を貸してくれた。それも、人としては考えられないような超常の力によって。若干怖いが、正体を知りたがらないはずがない。
「あ〜、彼の事なら私から話すわ」
直接聞き出そうと近づいていくアリサと2人の間に忍が割り込む。
いい意味でも悪い意味でも常識の斜め上を行く彼らと会話をするのは、少し短気なアリサには荷が重だろうと思っての事だ。
忍はこれまでの事を話した。
彼が森に倒れていた事、それを治療し今まで屋敷にて過ごしてもらっていた事、そして、携帯を用いて悪魔――彼の言う仲魔を召喚することができると言う事。
それを聞いたアリサは、信じられないというように目を大きく開ける。本人でも意識していないのか、かすれたような小さな声が口から漏
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