第7話 2つの誓い
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事を、忍は誇らしく思えてきた。
目の前で忍が笑い始めた事に驚いたのか、純吾は細い目をくりっと開ける。
そんな純吾を見ながら、彼に全てを話そうと決心した忍は家に帰ろう、と促すのだった。
「……いやぁ、これは考えてなかったわ」
『……今日夕方未明、海鳴市の第一漁港倉庫が壊滅的な被害を受け、中から多数武器を所持した身元不明の数十人の男性が意識不明の状態で未発見されました。
男性達は発見後病院に搬送、意識を取り戻したという事ですが、「悪魔がいた」など支離滅裂な事を口走り、武器の入手経路など男たちの背後関係の捜査は難航しています。
現場の状態などから、担当した医師達は集団幻覚を……』
屋敷入った忍を出迎えたのは、緊急速報と題打たれたニュース、それも事件の原因にもの凄く心当たりのあるものだった。
忍たちは今、月村の屋敷のリビングに集まっていた。大きなテレビと、家族全員が座ってもなお余りあるほどの大きなテーブルが特徴的なそこに、入口付近で忍と純吾達が、先に入っていたすずかにアリサは机に座り、メイド姉妹二人はその後ろに控えていた。
忍の前でメイド2人もその意見に納得したのか首を何度も縦に振っている。アリサとすずかはあの時の恐怖を思い出したのか表情をこわばらせ、テレビ画面にくぎ付けになっていようだ。
思わずその場にしゃがみ込み独り、うなってしまう。そして忍は“原因”たちに若干恨みを込めた視線を送るのだが、
「あら! 私たちの事、トップニュースじゃない。ジュンゴほらあれ、すごい事になってるわよ〜」
「ん…。皆、すごい頑張った」
「……いやあなた達、もっと他に言う事があるでしょう?」
人が頭抱えて悩んでいるのに呑気な事言ってる目の前の主従に、忍は思わずツッコミを入れてしまう。
すずかたちが怪我もなく助かったのは確かに喜ばしいが、ここまで大事にして助け出してくるなんて全く考えてなかった。またいらぬ心配事が増えるんじゃないか、嫌でもそう考えてしまうのだ。
そんな忍の言葉に納得いったか、純吾は「あぁ」と何かに気がついた顔をし、リリムの方を向き、話しかける。
「リリム、お疲れ様」
「あっ、そういやまだ言ってなかったわね、さっすが忍!
えっと、ジュンゴもお疲れ様♪ それとはい、みんなはもう戻ってるけど、やりたりないからまた暴れさせてくれって」
「いや事件の後始末とかあるでしょう! …って、ちょっと今見てはいけないやり取りを見ちゃった様な気がするんだけど」
全く自分の気持ちが伝わっていなかった彼らに思わず激しい口調になってしまうが、ふと信じられないやり取りを彼らがした事で気勢がそがれ、嫌な汗が額をつたっていく。
「え? あぁ大丈夫よ、あそこ
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