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故郷は青き星
第六話
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ました。
 このカレーにしても、エルシャンが作り上げた6種類のスパイスを使ったミックススパイスを改良して、18種類ものスパイスをブレンドして作り上げたミックススパイスを用いている。スパイスは使う種類を増やせば良いというものではない。数を増やせばぶつかり合ったり、目指す料理の枠を踏み越えてしまったりする。最終的な調和に至る為には必要最低限のシンプルな構成の方が良い結果を生み出す場合が多い。だがユーシンは18種類のスパイスを使いこなして完成させた。それは生半可なセンスではない。
 それは前世より味覚には自信があり、実際に未知のスパイスを用いてカレー粉を再現したエルシャンをしても届かない高い味覚センスを意味していた。

 今現在はまだ、家庭内で料理革命の猛威を振るう程度で済んでいるが、今年の内に今回のカレーを初めとして様々な料理が商品化され、大ヒットし莫大な利益をあげて、そのほとんどがシルバ6関連につぎ込まれてしまう事になるのだが、この事が今後の銀河の運命に大きな転機をもたらす事になる。
 だがエルシャンは、そんな事も知らずに、口の周りをカレーで黄色く汚しながら「おにーちゃん美味しいね」と笑顔を振りまく弟をカメラで撮り続けるのであった。
 そして、ポアーチは弟を撮影するエルシャンを撮影する。一言で表現するなら馬鹿家族以外のなにものでもなかった。



「地球か……やっぱりあったんだな」
 端末に映し出された青い星の映像。
 それは、年少パイロット資格を得た事で閲覧可能になった軍関係のデータベースを調べて見つけた第3渦状枝腕(オリオン腕)関連情報の中にあった太陽系と思しき星系の第3惑星の映像だった。

 第3渦状枝腕は銀河の中でも最辺境と呼ばれる地域で誕生した知的生命体が極めて少なく、星間文明まで発展して連盟に加盟した種族は過去に1例のみで、しかも既に滅んでいたため、第3渦状枝腕に関する情報は民間には存在しなかった。
 FTLT(超光速航法:Faster Than Light Travel)により1000光年以上の距離を一瞬で飛び越える科学技術を持ってなお銀河は広い。予め設定された航路以外はワープアウト時の安全性が確保出来ない上に1000光年先のFTLTにより距離を飛ぶのと、1000光年のルートを亜光速で調査するのとでは意味が全く違う。
 しかも、民間企業や1連盟加盟国家にとっては第3渦状枝腕を調査する意味が無い。
 領土・資源などの目的とするなら、開拓する宙域はこの銀河の何処にでも存在した。そもそも連盟加盟国家同士で国境が接しているのはバルジ宙域において数例ある程度で、現在領土問題は存在すらしていない。
 連盟軍が軍事的目的で星図を作成するために200年前に調査を行った時の情報が存在するだけだったので、エルシャンは今まで地球の存
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