第2章 真の貴族
第18話 襲撃
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
故ならば、言語は共にガリア公用語を使用する国同士。文化も似たような雰囲気。
ガリアが、トリステインを目障りだと思えば、簡単に併合して仕舞えるほどの国力差が有り、併合したとしても、大きな軋轢を生むとは考え難い。
この世界の戦争が、例え、騎士の質……つまり、数では無く、魔法使い個々の能力差によって決する類の物で有ったとしても、分母が違う以上、トリステインがガリアに抗うのはかなり難しいと思いますから。
矢張り、分母が大きい方。つまり、貴族や騎士の数が大きい方が、優秀な人間が登場し易いでしょう。普通に考えるのならば。
「まして、オマエさんはサヴォワ家の長子と名乗った。ならば、サヴォワ伯爵家を継ぐべき人間や。そんな人間が、学生生活のような重要な時期に、自らの領地と全く関係のない、それも国力で言うなら、100:1程の差が有る弱小国の貴族と知己と成る為に、トリステインなんぞに留学する意味はゼロどころか、マイナスの方が大きい。
更に、オマエさんの正体から推測すると、ガリアの社交界で何か不都合な事をやらかして、トリステインに留学せなしゃあないようになった可能性も排除出来る」
学生時代と言うのは、基本的には勉強をする時代なのですが、それ以上に友人を得る為の時代でも有ります。
特に、貴族ならそれはかなり重要な時間と成ると思います。
独自の人脈の基本を作るべき時代に、伯爵家の長男がガリア貴族に知己を作らずに、弱小国のトリステイン貴族の知己を作るべくして、トリステインなどに留学してどうすると言うのです。
更に、吸血鬼の血を引くジョルジュくんが、ガリアの社交界で悪評が立つような行動を取るとも思えないですしね。そんな事をすると、自らの首を絞める結果と成りますから。
「何処の学校で学ぼうが魔法は魔法。世界が変わろうが、国が変わろうが、この大前提は大きく変わりはしない。
ならば……。将来の事を見据えるのならば、オマエさんのトリステイン留学の意味は見えなくなる。
故に、何らかの王命を果たすべく、トリステインに留学したと考える方が妥当やと思うんやけどな」
まぁ、余程のマヌケでもない限り、この程度の結論には瞬時に辿り着くと思うのですが。
「その辺りについては、御想像にお任せします」
心底、楽しそうな雰囲気で、ジョルジュはそう言った。確かに、簡単に答えをくれるとは思わなかったけど、この答えなら否定された訳では無さそうですね。
少なくとも、御目付け役には違いないけど、タバサに取ってマイナスとなる類の御目付け役と言う訳でも無さそうですからね。
そう思った瞬間。
【シノブ】
青玉製のカフスに封じられたダンダリオンから【念話】が繋げられる。
否、意味不明ではない。俺も、そして、おそらくジョルジ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ