第2章 真の貴族
第18話 襲撃
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ています。
何故ならば、王で有るのならば、身内の情よりも、国の安定と公平な処分を行うべきですから。
身内に甘い処分しか下せない人間は、そこから澱みが起こり、不正が横行し、間違い無しに家臣の間に不満が溜まって行きます。これでは、国の安定など遙か彼方。絵に描いた餅状態。
ですから、権力者は、例え身内だろうが。いや、身内で有ればこそ尚更、断固とした処分を下すべきなんですよ。
現在、ガリアは旧オルレアン派の貴族に粛清の嵐を吹かせているらしいですから。
オルレアン大公のチラつかせた空手形に踊らされた結果、御家断絶などと言う悲劇的な結果に成って仕舞った貴族達は、現王家を恨むのと同じレベルでオルレアン大公も恨んでいる可能性も有ります。
しかし、何故かタバサ……オルレアン大公の娘シャルロット姫は生き残っていて、トリステイン魔法学院に偽名を使って留学中。
これは、タバサの周囲は、かなり危険な状態と言う感じなのでしょうね。
俺の問いに、ジョルジュが今度は首肯いて答えた。
これは、肯定の意味ですか。ならば……。
「オマエさんは、タバサの御目付け役ではなく、彼女の護衛役やな」
何故、謀反人の娘に護衛役が付くのかはイマイチ理解出来ないのですが、その謀反人の娘を生き残らせるようなマネを王が為しているので、彼女にガードを付ける可能性もない事はない。
まして、ガリア本国に彼女を置いて置く事の方が危険と判断して、トリステインの魔法学院に偽りの身分、偽りの名前を持って留学させた可能性も高いと思います。更に、学院長は何か知っている気配が有ります。
おそらくは、タバサに気付かれないようにガードする、と言う感じの役割なのでしょう。
いや、もしかすると、相手によっては、実力で排除する可能性も有りますか。
もし、俺の実力が、彼の目に適わなかった場合、俺は排除されていた……。その可能性は高いな。
あの、矢鱈とハード・モードだった魔法による模擬戦闘訓練で。
「偶然、同じ学院に留学して来た、と言う選択肢は存在しないのですか?」
ジョルジュがそう答えた。それまでとまったく変わりの無い雰囲気で。
コイツ、未だ、俺を試しているのか?
「オマエさんの実家がトリステインとの国境沿いに領地を持っている貴族で、トリステインとガリアの国力がもっと拮抗しているのなら、偶然、同じ魔法学院に入学して来る可能性も高くなるな。
せやけど、オマエさんの実家の領地は、トリステインとの国境沿いではなく、ロマリアとの国境沿いや」
当然、外交官と言う概念が無さそうな時代ですからね。それに、トリステイン側から送り込んで来ると言うのなら判りますが、ガリア側から外交官を送り込むのはあまり意味が無いでしょう。
何
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