無印編
第二十一話 中
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ま聞き返す。
「そうです。その力を手に入れた以上、魔法の力を無視することはできないでしょう。だから、なのはさんには魔法の講習を受けて欲しいのです。幸い、この世界には夏休みという長期休暇があるようですから、その中で二週間程度でいいのです」
なるほど、つまり自動車免許取得の合宿のようなものだろう。短期集中講座といってもいいかもしれない。確かに使い方を知らない力ほど怖いものはない。一度、きちんと学ぶことはなのはちゃんにとってもいいことだろう。
なんて、他人事のように思っていたのだが、思わぬところからキラーパスがきた。
リンディさんがなのはちゃんに合わせていた視線を僕に合わせたと思うと、そのキラーパスが投げられた。
「そして、それには翔太さん、君も受けませんか? フェイト―――アリシアさんの検査とかもそのときに行えたら、と思っているの。この世界では、あなたたちのような年齢の子どもには保護者が必要でしょうから」
なるほど、僕はついでということだろうか。アリシアちゃんの検査ということなら、母さんが着いていくだろう。そして、リンディさんはその母さんを保護者としたい、ただし、なのはちゃんと母さんでは何の関係もないから、間に僕が入れば問題ない、と。そして、その空いた時間に僕にも魔法の講習を受けてみては? ということなのだろうか。
さて、どうしよう? と講習を受ける対象であるなのはちゃんに視線を向けてみると、実に期待の篭った眼差しで僕を見つめていた。
一人では心細いのだろうか。だが、どちらにしても、僕も魔法には興味があったのだ。魔法について学ばせてくれるというのであれば、言葉に甘えることもやぶさかではない。
「それでは、僕もお願いします」
「そう、よかったわ」
僕の答えを聞いていくつか手元の書類に書き込んだかと思うと、リンディさんは、また視線をなのはちゃんに戻した。
「さて、次が殆ど最後になりますが……なのはさん、悪いのだけれど、ジュエルシードを集めるのをもう少し手伝って貰ってもいいかしら?」
あれ? と僕は、リンディさんの言葉に首をかしげた。なぜなら、彼らは、ジュエルシードについてはこれから時空管理局が全権を持つといっていた。つまり、後は彼らが責任を持って回収してくれると思っていたからだ。
「クロノ執務官があなたとの模擬戦で思った以上のダメージを受けちゃって、ジュエルシードの封印ができないのよ。他の人だと少し危険で、だから、封印を手伝って欲しいの」
どうしかしら? と尋ねるリンディさんだが、これでは答えは一つしかないのと同じだ。なぜなら、穿ってみれば、貴方の所為だから手伝って、といわれて同じなのだから。せっかく終わると思っていたのに、なのはちゃんは―――と様子を伺ってみ
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