無印編
第二十一話 中
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しているところで、笑顔のままリンディさんは口を開く。
「と、本当なら言うところですが、今回は、なのはさんの年齢等々の様々な要因を鑑みまして、不問とします。ただ、なのはさん、覚えておいて。あなたが手にした力は、あまりに大きい、大きすぎる力なの。だから、無闇に使ってはダメよ。貴方はその力を自覚して、自制しなければならない。大丈夫よね?」
………なるほど、そういうことか。
行き場のない決意を心の隅に追いやり、僕はこの話の流れをようやく把握した。
おそらく、恭也さんたちは最初からこの処分を聞かされていたのだ。だからこそ、リンディさんが言うことを何も言わずに聞いていた。なにせ、家族の一員が犯罪者扱いされ、連れて行かれるかもしれない瞬間だったのだ。家族として言うこともあっただろう。それを無言で見守っていたのは、これがなのはちゃんに自分が手に入れた力を分からせるためのお芝居だとしたら納得できる。
どうやら、僕も一杯食わされたようだった。
まるで諭すようにリンディさんがなのはちゃんに問いかけ、なのはちゃんは一瞬、気が抜けたように放心していたが、リンディさんの問いかけに正気に戻ったようにはっ、となると「はい」と小さく口にした。
それを聞いて、リンディさんは大きく頷くと、席に座り、いくつかの資料をエイミィさんから受け取っていた。
「さてと、それじゃ、いくつか確認事項ね。なのはさん、レイジングハートを呼んでみてください」
「………レイジングハート、来て」
リンディさんの言葉を不可解に思っていたのか、小首をかしげていたなのはちゃんだったが、やがていわれとおりやってみようと思ったのか、手の平をかざして、レイジングハートを呼ぶ。その次の瞬間、かざした手の平の上に小さなビー玉大の宝石のようなものが現れた。
これには、恭也さんたちも驚いたように目を見開いていた。もちろん、僕もだが。
「ジュエルシードを取り込むことでレイジングハートは完全になのはさん専用となりました。このように引き離されてもなのはさんが呼べばすぐに手元に戻すことができます」
これはある意味では安心できることではないだろうか。なにせ、ジュエルシードを取り込んだのはレイジングハートだ。そのレイジングハートはなのはちゃん以外に使うことができない。つまり、セーフティ機能がついた核弾頭のスイッチのようなものだろうか。
「他にもジュエルシードを取り込むことで機能がいくつか増えているようですが、それはレイジングハートから直接教えてもらったほうがいいでしょう。そして、次になのはさんには、魔法の講習を受けてもらいたいと思います」
「講習……ですか?」
なのはちゃんが、リンディさんの口から出た単語の意味が分からなかったのか、そのま
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