暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
プロローグ 異世界への旅立ち
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ーを飲みながら冗談交じりそう言った。どちらにしろこれが貴重な体験であることは確かだ。それも一生に一度あるかないかの。

「それに怒りだってあるんだぜ? ただそれよりも魔法がある世界に興味がある。あとは罪悪感ぐらいか」

「罪悪感?」

「両親にここまで育ててもらっといて、消えるってのはな……中々にキツイものがあるな。まぁ両親には負担かけちまってるだろうし、だから怒りよりも興味とそのことでの比率考えれば転生するのもいいかなと思ってな」

 両親は俺が幼い頃から仕事で忙しく家にもあまり帰ることはなかった。そのため中学生までは良い印象を抱いていなかったが、両親は忙しいなりにも息子に寂しい思いをさせまいと努力していた。そのことに気がついたのは高一のときだったが。しかし、それが両親の負担になってしまっているのではないかと心の片隅で今でも思っている。もちろん、両親からしたらそんなことはないと言ってくれるのだろうけれど……。


「あなたが消えることには気がつきませんよ。あなたと同一の存在をもう送り込んでいますから。……それでもその罪悪感は消えることはないでしょう?」

「当たり前だろ。育ててもらったのは俺だ。そいつじゃねぇだろ」

「そうですね……。っと、話を戻します。本来ならば神隠しとは幼少期までには起こるはずなんですよ。神隠しは特殊能力や異常なまでの身体能力を察知し作動します。だがあなたは身体能力も常人に比べればかなり高い方ですが異常なわけではなく、特殊な能力があるわけでもない。ゆえに、発見が遅れたんです。そしてこれはかなり稀なケース。自我が完全に確立された後の転生は物議を醸したぐらいです」

「物議って……どこでだよ」

「僕たちにもいろいろとあるんですよ。さて、先ほど稀なケースと言いましたが稀ということは前例があるということです。それと同様の処置をしようと思います。まずは、転生ではなく憑依するということです。僕たちが一から構成した肉体にあなたの魂を定着させますので、記憶もなくなることはありません」

「へぇ、ってことは母親から生まれるわけじゃなく最初からいることになるのか。……ん?記憶もなくなることはないってもしかして、今まで転生した奴らは記憶を消されてたってことかよっ!?」

「え、ええ。自我が確立する前に神隠しが作動するわけですからね。幼い子供がヘタに記憶を持ったままだと返って混乱してしまいます」

「あぶねぇ〜。当然記憶はそのまま受け継がれるもんだと思ってたぜ。創作小説の読みすぎか」

 俺は何を根拠に記憶の保障があると思っていたのだろう。自身の楽観していた考えに少し恥ずかしくもなる。固定概念というものは恐ろしいな。いや概念ではなく常識か。

「まぁあなたのような自我が完全に確立してしまった人のため
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