第39話 新組織、デストロン
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までは彼の命は危うい。
「このままではこいつは死ぬぞ」
「風見は命がけで俺達を助けてくれた。死なせたくない」
「だったら、方法は一つしかない」
重症を負った志郎を抱えて、ダブルライダーがやってきたのは、デストロンアジト内にある手術室であった。
幸いな事にアジト内は破壊された形跡がなく殆ど無傷にも近い状態だった。恐らく自分達を誘き寄せる為に急遽引き払った為だろう。そっと風見志郎をデストロンの改造室の手術台の上に乗せる。
志郎を救う方法。
それは最早彼を改造人間にする他なかったのだ。一文字も本郷も苦い思いのまま風見志郎の改造手術を行った。
あれほどまでに自分と同じ人間を作りたくないと誓ったのに、結果はこれだ。自分達が不甲斐ないばかりにこの男にも同じ運命を背負わせてしまったのだから。
だが、他にこの男を救う手立てはない。
デストロンの改造人間分解光線をその身で浴びてしまった為、このまま放っておけば確実に死に至る。現代医学では到底治せない傷だ。
となれば彼を改造し、新たな改造人間にする他に救う方法はなかったのだ。それが二人にはやりきれなかったのである。
「行くぞ、一文字!」
「あぁ、ライダーエネルギー全開!」
手術も最終段階に入る。
最後には風見志郎の両手をそれぞれダブルライダーが持ち、その手を通じて自分達のエネルギーを送り込む。
志郎の手を通じてダブルライダーのエネルギーがその体の隅々にまで流れ込んでいく。
その証拠に風見志郎の体から微弱な発光に似た現象が見られた。これで手術は終了した。
後は、風見志郎の覚醒を待つだけである。
だが、目覚めた時、果たして風見志郎は己の運命を享受出来るだろうか?
誰からも分かってもらえない孤独の化け物になった事を知り、彼はそれでも正義と平和の為に戦っていけるのだろうか?
それが二人の不安だった。
だが、その時突如激しい振動がアジト内を襲った。それも一回じゃない。
数回は起こっている。そしてこの規則正しいリズムで振動が起こるのは明らかに自然の現象じゃない。かすかに火薬の匂いがする。恐らくは爆発。それも爆撃に近いものだ。
「本郷、外だ!」
外に飛び出した二人を待ち受けていたのは、全く別の怪人であった。外見は一言で言うなら亀を模した改造人間だ。しかしその背中には人の握りこぶしよりも一回り位大きな口径を持つバズーカを背負っている。爆発の原因はどうやらあいつの様だ。
「出たな仮面ライダー! このカメバズーカ様が貴様等を地獄へ叩き落してやる! ズゥゥゥカァァァァ!」
「また別の怪人だと!?」
「デストロンめ、もう本格的に動き出したってのかよ!」
平和を壊すかの様に現れた新たな組織、デストロン。
その恐るべき魔
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