第38話 更なる脅威
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直ちにその場から立ち去っていく。そんな中、一人その場で立ち尽くす早川健の姿があった。
「やれやれ、良い所を取られちまったみたいだな。にしてもあの男…俺にそっくりな声してたなぁ…世の中顔がそっくりな奴が数人居るとは聞いてたが、声まで同じ奴なんて居るのかねぇ?」
先ほどの青年の声を思い出し、微妙な気持ちになった早川はその気持ちを隠すかの様に苦笑いを浮かべながら先ほど怪人が居た周囲を調べまわった。明らかにあの怪人達は始めて見る怪人だ。だが、ショッカーの怪人とは何処か違う。あの怪人の体には機械が混ざっていた。そんなのは初めてだ。今までの怪人と言えば動物や昆虫、果ては植物などの優れた能力を人間に付加させる程度でしかなかった。それが今度のアレには機械が混ざっている。一体どうなっているのか?
「それにしてもさっきのあの怪人達。ショッカーのそれとは違った姿をしていた……一体奴等は何者なんだ?」
***
山道から道路に移動した辺りで青年が後ろを確認する。どうやら先ほどの怪人達は追って来ないようだ。ホッと安堵して青年がバイクを止める。
「どうやら追って来ないみたいだな。とりあえず一安心だな」
「有難う御座います。お陰で助かりました」
女性が青年に助けて貰った礼を言う。すると青年が恥ずかしそうに頭を摩る。頬がうっすら紅くなっていたのが見える。どうやら彼自身少々初心な気があるようだ。
「いやぁ、偶々あのコースを走ってたら変な叫びを聞いて飛び出しただけなんですよ」
「コース?」
「知りませんか? あのコースは僕の大学のメンバーの中じゃ良い練習コースになってるんですよ。おっと!」
まだ自己紹介をしていない事に気づき、青年は鼻を摩りながら女性の方を向いた。
「僕の名前は風見。風見志郎と言います。城南大学在学の学生です」
「私はリーゼ。リーゼアリアと言います」
「リーゼアリアさんかぁ…素敵な名前だなぁ。所で、何であんな場所に居たんです?」
「え!? えぇっと…し、自然観察をしてたんですよ。この辺の自然の調査を兼ねて…なんです」
「へぇ、研究熱心なんですねぇ。僕の先輩と話しが会いそうだ」
二人して何気ない会話をしている。だが、今はこんな話をしている場合じゃない。そうこうしている間にも先ほどの怪人が追ってくるかもしれない。此処に長居するのは得策ではなさそうだ。だが、二人で余りぶらぶらしているのも目立ち過ぎる。
「此処に居ちゃ危険だ。とにかく、近くに僕の家があるんで、其処で少しの間身を隠して下さい」
「え? でも、それじゃ迷惑になりますよ。私なら大丈夫ですから」
「なぁに、家の家族もきっと分かってくれますよ。心配しなくて大丈夫です」
「家族……分かりました、少
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