第38話 更なる脅威
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い会話を楽しむ風景が其処にあった。だが、そうしている間にも、新たな脅威の牙は着々と研がれつつあった事を、此処に居るメンバーは誰一人知らないで居た。少なくとも、今この時、此処に居るメンバーだけは、だが……
***
所変わり、此処は喫茶店アミーゴ。気の優しいマスターと美味いコーヒーが自慢の人気の喫茶店だ。最近では喫茶店ランキングの上位にランクインした程であり。その為遠方からの客が増えだした溜めに以前以上忙しくなった。
しかし、今日は生憎客は二人しか来ていなかった。
その客と言うのは最早御馴染みとも言える本郷猛と一文字隼人の二人だ。二人はマスターである立花籐兵衛が煎れてくれたコーヒーの前に座っている。しかし二人共余り美味しそうにコーヒーを飲んでいない。それは、単に二人がコーヒーを飲みに来たからじゃ無い為だ。
「それは本当かぁ?」
「えぇ。間違いありません! この目で見てきましたから」
立花の質問に本郷は答える。二人共重苦しい顔でカウンターに座っていた。
「しかし、一体何がどうなってるんだぁ? 行く先々のショッカーアジト内に残っていたのはショッカー残党の無残な死体だなんて」
「俺達もさっぱりです。もう殆どのショッカーアジトを見て回りましたが、その何処でもショッカー残党が皆殺されているんです」
「しかも殺し方が人間のやり方じゃねぇ。まるで化け物が殺ったみたいな風になってたんだ。こりゃ、何かあるな…」
カメラマンの鋭い直感であろう。そう呟きながら一文字がコーヒーを啜る。
「ショッカーを超える新たな悪…そんなのが現れた、と言うんでしょうか?」
「何とも言えんなぁ…あ、そう言えば本郷。お前この後此処で待ち合わせだろう?」
何かを思い出したかの様に立花のが手を叩く。どうやら本郷は誰かと待ち合わせをしていたようだ。
「何だ何だぁ。女かぁ? 普段はクールを装っている本郷さんにしては随分と珍しい事で御座いますねぇ」
「茶化すなよ一文字。そうじゃない。俺の通っている大学の後輩だ。今日はそいつとツーリングする約束をしてたんだ…そう言えば、あいつ遅いなぁ…」
腕時計をチラリと見ながら本郷は呟いた。既に待ち合わせの時間を30分も過ぎている。10分やそこ等であれば気にしないが30分は少し遅れすぎだ。
時計の時刻を眺めながら、本郷はボソリと呟いた。
「何処で油売ってんだ? 風見の奴…」
***
此処は某所にある山中。険しい道が多く余り人の出入りが少ない山道であった。勿論登山客などが顔を出すだろうが生憎こんな炎天下にそんな中を登ろうとする物好きは少ない。その中を私立探偵早川健は一人歩いていた。肩にギターを担ぎ復讐を求め
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