第38話 更なる脅威
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うも良し。生き残りたくば運命の波に抗ってみるがよい!」
老人が言い終え持っていた杖を天空に翳す。するとさっきまでどんよりと曇っていた空が一気に晴れ渡り日の光が差し込む。またしても閃光で目を眩ませてしまった三人。
視界が回復した頃にはその老人の姿は忽然と消え去ってしまっていた。まるで神隠しであった。幻でも見ていたのだろうか。嫌、それにしてはあの幻は嫌にリアル過ぎる。
「き、消えた…」
「何だったんでしょうねぇ? 今のは…」
「さぁ…」
何がなんだかさっぱり分からなかった。だが、あの老人の言っている事が本当ならそれは恐ろしい事の起こる前触れでもあったのだ。
***
「ははははは……」
富士山麓にある此処光子力研究所で盛大な笑い声が聞こえてきた。言わずもかなこれは数日前に起こったPT事件の功労者の一人である兜甲児の笑い声である。彼は今束の間の平和を楽しむかの用にベランダに添えてあったベンチに座り体一杯に日の光を浴びていた。Dr.ヘル亡き今、マジンガーZを動かす機会も減ってしまった為こうして夏休みを謳歌しているのである。侵略者達の影響で町が復興作業で忙しい為学校も休校状態となっており少しだけ長い夏休みであった。それを楽しんでいた矢先にボスのこれである。これはもう笑うしかなかった。
「笑い事じゃねぇんだよぉ兜ぉ! あの預言者の言った通りだともうすぐとんでもない事が起こるって言うんだからよぉ!」
「何言ってんだよぉボス。空はこんなに晴れ渡ってて小鳥は歌を歌ってるんだぜぇ。何処が世界の終わりを予言するだよ。与太話を信じるにも程があるぜ」
甲児は天空の青空を見上げてそう言っていた。今日も空は雲ひとつない快晴の空である。相変わらずの猛暑日ではあるが平和である事に変わりはない。誰もが待ち望んだ平和が其処にあったのだ。多くの死闘を制して得た限りなく貴重な平和。それを今甲児達は噛み締めているのだ。
「そうそう、今日だってあんまり平和なもんだから甲児君なんか私がシャワー浴びてる時に入ってきたんだからねぇ」
「何!?」
「ちょっ、さやかさぁん、あれは故意じゃないんだよ。俺だってこんな糞暑い日にはシャワー位浴びたいしさあ」
そう言って甲児は隣で座っている弓さやかに対し愚痴る。ボスは見てなかったようだが実はつい数刻前、甲児がシャワーを浴びようとシャワー室に入ってきた際、使用中であったさやかとばったり出くわしてしまったのだ。
その結果は勿論甲児の右頬が紅葉色に晴れ上がってしまう結果に終わったのだが。
「別に好き好んでさやかさんのヌードを見に来た訳じゃないんだぜ」
「当然よ。もしそうだったら今頃鼻っ柱にパンチ入れてるわよ!」
「うへぇ、怖い怖い…」
何気な
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