第38話 更なる脅威
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PT事件、又の名を、ジュエルシード事件の終結から暫く経った後の暑い日。それは突然起こったのであった。それは、古い掘っ立て小屋がある海岸での出来事であった。
その日、其処に居たボスと子分であるヌケとムチャの三人はボスボロットに乗り猛暑を凌ぐ為海岸に来ていた。ヌケとムチャの二人は涼しそうに泳いでいる。
しかし、そんな中ボスだけはボロットの中で必死に団扇で体を扇いでいた。体中から汗を流してとても熱そうにして両手で必死に団扇を仰いでいる。しかし外はカンカン照りの真夏日より。そんな物など何の役にも立たない程に外は暑い。ましてボロットの中なので余計に蒸し暑さが増す次第なのだ。
「ボスゥ! 早く泳ごうぜぇ。気持ちいからよぉ!」
「うるせぇ! 俺は今コンテイションが悪いから泳がないんだよ!」
下の方で二人が誘うがボスは一向に泳ごうとしない。その理由は大体分かってはいるが逢えて言わないのが優しさと言う所でもある。しかし、それに気づいていないボスはある意味で哀れとしか言いようがない。
「あ〜〜、畜生。一雨降らないかなぁ!」
呟きながらボスは空を見上げた。生憎空は雲ひとつない快晴の空。とても雨など降る素振りは見られない……
筈だった。
しかし、世間一般の天気は変わり易いらしく、夜になれば大雨の落雷と言った具合となっていた。
雨のお陰で幾分か気温が下がり過ごしやすい環境が整ったのでボスとしては正に両手を挙げて大喜び出来る場面と言える。
しかし、待望の雨だと言うのに、肝心のボスは布に包まりガクガクと震えている始末であった。
「ボシュ〜。念願の雨じゃないですかぁ〜。もうちょっと喜んだらどうなんですかぁ?」
「雨は嬉しいんだけど雷は駄目なんだよぉ〜」
どうやらボスは雷が駄目のようだ。それを聞いて子分の二人はクスクスと笑っている。いい年して雷が駄目と言うのは正に物笑いの種と言えた。しかし本来ならそんな笑っている二人を殴り倒す筈のボスが動かない。それ程までに彼は雷が怖いのだ。一体雷にどんな嫌な思い出があったのか。
それを知らないヌケとムチャはこれは好機とばかりにボスの事を指差して笑う始末だった。
「ボスゥ、しっかり抑えて置けよぉ。ボスのヘソは特に大きいからさぁ」
その時、突如噴いた風のせいで焚き火が消えてしまった。驚きながら三人が焚き火後を見る。おかしい。火の大きさはそれなりにあった筈だ。横風は吹いてきているが決して火を消す程じゃない。それがこうも一瞬で消えるのは不可思議と言えた。
「ありりっ、消えちゃった。どうなってんの?」
火が消えてしまったので仕方なく次の火を焚こうとした時、突如盛大な雷鳴が鳴り響く。そのせいで稲光が盛大に発せられる。その中、巨大な巨人のシルエットが映し出される。その巨
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