第2章 真の貴族
第17話 湖畔にて
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チとノームは資金調達の御仕事を。そして、ハルファスは祭壇の準備と再生の儀式を行う地を護る為の壁……霊的な意味で言う壁なので、その場に実際に壁を作っている訳では有りません。その壁を構築する為に現地に残っているので、現在の俺達を実体化して護って居るのは、ウィンディーネとサラマンダーの二柱の式神と成っています。
う〜む。ただ、こう、多方面に戦力を分散させると、流石に各所の戦力が低下しますか。
これは、俺やタバサの護衛専用の式神を用意する必要が有ると言う事ですね。
それと、未だ焚き火の番の時間には成っていないのですが、何故か、俺の目の前には、俺と同じように竜殺し殿が座っています。
そう。その視線は、焚き火の炎を見ているのか、それとも俺を見ているのかは判らないのですが、妙に上機嫌な雰囲気を纏って……。
もっとも、コイツのバイオリズムは、むしろこれからの時間帯の方が好調を指し示す時間帯と成るので、上機嫌となるのは仕方がない事だとは思うのですが。
彼は、夜の子供たちの王だと思いますから。
まぁ、良いか。少なくとも、今のトコロ、ヤツから悪意のようなモノを感じる事など有りません。
それに、人間と違って、ヤツら、真の貴族と言う連中は、闇討ちなどと言う方法を取る事はあまり有りません。もしもそんな事を行った事がヤツらのコミューンに知れ渡ったら、それが自らの名誉を著しく傷付ける事と成りますからね。
彼らに取っては、名誉とは非常に重要な事です。おそらく、人間の貴族よりも。
おっと、ジョルジュくんとの話を開始するその前に……。
【シルフ。タバサにだけ音声結界を施して、余計な雑音で目を覚まさせないようにしてやってくれるか】
一応、【念話】にて、シルフにそう依頼する俺。
それに、もしかすると、これから先は、タバサには聞かせられないボーイズ・トークが出て来る可能性も有りますから。
ここは慎重に事を運ぶ必要が有ります。
「なぁ、何で、こんな無駄な事を俺にさせているんや?」
シルフの音声結界がタバサに対して施されたのを確認した後に、そうジョルジュに話し掛ける俺。
一応、微妙な関係の相手なのですが、それでも、今のトコロは問題ないでしょう。
そう思い、最初から疑問だった事をジョルジュに聞いてみる事にしたのですが。
それに、コイツや、コイツの一族の能力ならば、駆け出しの仙人……いや、未だ道士程度ですか。地仙と言うにも少し遠いな。道士のタバサや、龍種とは言っても、人間の姿形から変わる事の出来ない俺に、こんな事をやらせても意味は有りません。素直に自らが手を下せば済むだけの話です。
もっとも、焚き火に照らされたヤツの顔の微妙な陰影が、俺を妙に不安にさせて、こんな、しょうもない事を聞く気に
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