第2章 真の貴族
第17話 湖畔にて
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ないので、このハルケギニア世界に居て良い生命体ではないとは思います。ですから、退治されるのは仕方がないと言えば仕方がないのですが……。
何故ならば、真っ当な生命体なら、間違いなく女性に相当する存在が居るはずなのですが、少なくともこの世界のオーク鬼は男性格の個体しか存在しないらしいですから。
おそらく、コイツラは、元々人間だった者に何かが憑く事によって堕ちた存在なのだと思います。
例えば、生きながら餓鬼道に堕ちた者とかの成れの果て、と言う感じで……。
尚、この四日の間。俺とタバサは、ジョルジュに付き合わせられて、東にはぐれのワイバーンが居ると言われると、行って素直に説得し、西にグリフォンが家畜を襲っていると言われたら、行って説得むなしく退治をすると言う結末に成り。北にオーク鬼の集団が現れたと言う情報に大急ぎでやって来て、先ほど、作戦通りにすべて退治して仕舞ったと言う状況なのですが。
もっとも、ワイバーンやグリフォンはそれぞれを示す印を得る事が出来たので、後に俺の召喚魔法で召喚して、式神として契約を交わす事も可能となったので、俺的には、それなりの収穫が有ったと言えば有ったのですが。
……やれやれ。それでも、なんとなく、ため息しか出て来ない気分ですね。相手が人に害しか与えない、まして陰の気の塊だったとしても。
ただ、これで、後は先ほど血祭りに上げたオーク鬼たちの魂を鎮めて、迷わずに彼らの故郷、オルクルの身元に旅立てるように弔いの笛を吹く事で、このオーク鬼退治の仕事も終了ですか。
ちなみに、その際に、印……納章を得る事も出来るのですけど、オーク鬼を俺が召喚出来る訳がないでしょう。こいつらは、少々、陰に傾き過ぎている存在ですから。
おっと。それと同時に、サラマンダーの浄化の炎で、火葬にしてやる事を忘れる訳にも行かないな。
このオーク鬼は、きっちり受肉している存在ですから、大量の死体から妙な病気が発生しないとも限らないですからね。
☆★☆★☆
殺戮の現場となった場所から少し離れた野営の地は、現在、完全に夜に支配された世界と成っていた。
その陰の気に包まれた世界の中で、陽の気を放つ焚き火の明かりのみが、この周辺では唯一の人工的な存在かも知れないな。
それで現在は、ちょうど昨日から今日に移り変わる時間帯。タバサは、アウトドアの基本シュラフに包まれて、焚き火の直ぐ傍でお休み中です。
まぁ、今は四月なのですから、流石に簡単に野宿を出来る季節では有りません。いくら、焚き火を絶やさなかったとしてもね。
それでも念の為に、タバサの傍にはサラマンダーに居て貰っていますから、彼女が寒さから風邪をひく等と言う事はないとは思うのですが。
尚、俺の式神の内、ハゲン
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